2023 Fiscal Year Annual Research Report
Assessment of "Global Human Resources" in Japanese Companies: Interviews with Former Study Abroad Students and Companies
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18K02711
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
岡村 郁子 東京都立大学, 国際センター, 教授 (20532154)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 日本企業における外国人人材雇用 / 元日本留学生 / 海外留学経験のキャリアへのインパクト / グローバル人材育成 / 留学生と企業の仲介 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたる2023年度は、日本への留学等の経験のある外国人従業員を雇用する日本企業8社の経営者または人事担当者10名、日本企業で働く元日本留学生13名(出身国:ベトナム、インドネシア、インド、ラオス、タイ、中国、台湾、ドイツ、フランス)を対象にインタビュー調査を実施した。インタビューデータは文字起こし後、質的分析支援ソフトを使用し、それぞれの立場での困難やメリット、将来の動向などについて分析を行った。 企業へのインタビューの結果からは、日本企業において外国人従業員の良さが発揮されて、企業にも期待されつつ日本人社員へよい影響を与えている側面がある一方、外国人従業員が日本企業になじむ上での難しさや、外国人従業員本人からの不満もかかえていることがわかった。 研究期間全体を通じては、上記に加えて、海外留学経験者および日本へ留学後日本企業に就職した元留学生(出身国:中国、台湾、韓国、ミャンマー)計17名を対象に企業で働く上での困難や課題、将来の展望等についてインタビューを行い、質的な分析を行っている。 これらの調査結果から、優秀な外国人従業員をより長期かつ安定的に雇用し、日本人従業員と相乗的によい影響を与え合う働き方を可能にするためには、従業員本人と会社側の相互理解、政府による外国人労働者の受け入れ体制の整備が重要であることが明らかになった。 本研究はコロナ禍の影響を受け、外国人従業員を雇用する企業へのインタビューが最終年度を迎えるまで困難であり、2年間の研究期間延長を余儀なくされた。調査の遅れから、研究成果の発表としては紀要論文のみとなっているが、今後は日本留学経験のある外国人従業員および海外留学経験のある日本人従業員へのインタビュー結果の比較や、従業員側と雇用する企業側へのインタビューの結果の比較等の分析等、残された課題に継続して取り組み、学会発表および論文執筆を続ける予定である。
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