2021 Fiscal Year Research-status Report
高大接続に資する思考力・判断力・表現力育成のための教材開発に向けた国際連携研究
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18K02713
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
井下 千以子 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 教授 (60407757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴原 宜幸 開智国際大学, 教育学部, 教授 (30327275)
桂 啓壯 宮城学院女子大学, 一般教育部, 教授 (70265437) [Withdrawn]
小山 治 京都産業大学, 全学共通教育センター, 准教授 (50621562)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 思考を鍛える / ライティング教育 / 探究学習 / 高大接続 / 教養教育 / 人間形成 / 主体的・対話的な深い学び / 教材開発研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.2021年度大学教育学会大会発表「探究学習を企図した専門科目でのレポート指導が批判的思考力・論理的表現力に及ぼす効果-ライティング・ルーブリックに基づく評価とその変化-」では、探究学習のためのライティング・ルーブリックを用い、序論1回目と2回目について直接評価をおこなった。その結果、探究学習[テーマの提示][情報の収集・整理・分析]と論理的表現[論理的整合性][文章表現・形式]において有意な上昇がみられたが、批判的思考[異なる意見の批判][仮説(問い)を立てる]ではわずかな上昇に留まった。 2.2021年度大学教育学会大会発表「探究学習を企図した専門科目でのレポート指導が批判的思考力・論理的表現力に及ぼす効果-ウェブ調査による学習意識・行動を踏まえた相関分析-」では、A:テキストを用いた指導の有効性、B:序論の執筆と授業理解について探索的に因子分析を行った結果、Aでは、論文基礎作法・序論練習・自己点検の因子が、Bでは、論理性習得・メタ認知的学習の因子が抽出された。(序論2-序論1)評価点(総合)と(テキスト指導有効性)序論練習との間には有意な正の関連があり、「思考を鍛えるレポート・論文作成法」(井下, 2019)による指導が貢献した可能性が示唆された。 3.2021年度初年次教育学会大会における課題研究シンポジウムにおいて「教員の多様性を活かした初年次教育のあり方―思考を深めるアクティブラーニングに向けて」と題し、発表をおこない、初年次教育学会誌第14巻1号に論文が掲載された。具体的には、初年次ライティング教材開発の事例と、専門科目での探究学習の試みを学士課程カリキュラムに位置づけて検討した。その上で、教員団として高大接続や専門教育との接続を図るには、教員の多様性と専門性を最大限に活用すること、組織として初年次教育を省察して主体的に実践に活かす必要であることを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年~2021年度までの本科研による研究成果と、2018年~2020年度大学教育学会課題研究「学生の思考を鍛えるライティング教育の課題と展望」(研究代表者:井下千以子)の研究成果を、出版する予定で進めている。2022年6月の発刊を目指し、順調に進んでいる。本書は、高大接続から初年次教育、専門教育、大社接続までを射程に入れ、スキル学習に留まらない、人間形成も踏まえた「思考の鍛錬」としてのライティング教育について検討してきた成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
『思考を鍛えるライティング教育』(仮称)は、2022年6月に発刊する予定で進めている。実践と理論の両面から捉えた実証的応用的な研究報告である。今後は、これまでの研究成果を活かして、探究学習のためのライティング教材を開発すべく、高校と大学における探究学習の現状と課題について、引き続き情報を収集し、分析を進めていく。
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Causes of Carryover |
これまでの研究成果を活かして、探究学習のためのライティング教材を開発すべく、高校と大学における探究学習の現状と課題について、引き続き情報を収集し、分析を進めていくため、研究費用が生じた。
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