2019 Fiscal Year Research-status Report
人口減少下の現代日本社会における地域社会システムと高等教育の将来構想の実証的研究
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18K02716
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
濱名 篤 関西国際大学, 基盤教育機構, 教授 (90198812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 修一 関西国際大学, 客員教授(教育学部), 客員教授 (00155334)
山田 礼子 同志社大学, 社会学部, 教授 (90288986)
杉谷 祐美子 青山学院大学, 教育人間科学部, 教授 (70308154)
合田 隆史 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 学長 (70724764)
深澤 晶久 実践女子大学, 文学部, 教授 (60742658)
白川 優治 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (50434254)
松原 茂仁 関西国際大学, 人間科学部, 准教授 (60710259)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地域社会 / 高等教育機関高等教育機関 / 通学圏通学圏 / 戦略 / 大学進学率 / 人口減少 / 社会システム / 活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、人口減少が進む現代日本社会のなかで、地域の高等教育と社会システム(人口動態、経済状況、雇用環境、初等中等教育の状況、福祉システムなど)の相互関係の変容と将来見通しを実証的に検証することによって、地方における高等教育機関の役割を再構築するための理論的・実証的モデルを提示することにある。 本年度は、島根県と沖縄県における高等教育機関と地域社会の関係についての実地調査を行った。 沖縄県の大学進学率は全国最下位である。しかし近年は、四大志向が高まりつつあり、2019年度学校基本調査速報値でみると大学等進学率は40.2%、2003年度30.2%から10ポイント増加した。他方、全国の「大学は54.7%となっており、依然として全国との差は大きい。県の『子どもの貧困対策計画』は大学等進学率を21年度までに45%まで引き上げることを目標にしている」。沖縄県としては大学進学率を増加させたいと考えている。こうした県全体の課題がある一方、通学圏の人口減から私立大学が構造的に成り立たたなくなりつつあった沖縄北部では、公設民営大学が公立化して高等教育のあり方が変化した。M大学は開学の翌年から志願者が減少し、一時は定員充足率が5割を下回った。公立化されると県外の志願者が増加して難易度が上昇した。そのため地域からの進学が困難になり、地元枠を設定した。公立化に伴い、教育内容や学習支援体制が強化され、大学が拠点となって地元地域は活性化している。 県全体と通学圏人口の少ない地域との課題をどのように調整していくのか。18歳人口の推移だけで地域の存立を大きく左右する高等教育機関の配置を考えていいのか。どのように方略をとれば地域社会に必要な高等教育機関を配置し続けることができるのか。地域の高等教育と社会システムの相互関係の変容と将来見通しを今後検討を続けていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高校生調査の実施については,国による就学支援制度の影響を見定めた上で実施することが妥当であると研究グループメンバー間で合意し,研究計画を変更したが,全体的には順調に進んでいる。4地域のうり、仙台地区についてのウェイトは減じ,他の3地域により注力することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症の動向を見定めた上で,実地調査や高校生調査の実施の時期,規模、方法を見直しし,今後の研究計画を再構築していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症により研究出張や打ち合わせを延期せざるを得なかったため
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