2019 Fiscal Year Research-status Report
アメリカのアクレディテーションシステムにおけるセルフスタディの定着と展開
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18K02721
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
前田 早苗 千葉大学, 国際教養学部, 教授 (40360739)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アクレディテーション / セルフスタディ / 地区基準協会 / オートノミー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の主な調査活動は、ニューヨーク公共図書館での資料の検索および収集であった。現地に行く前に、これまでも実施してきた大学図書館および公立図書館の資料検索をweb上で継続的に行った。アクレディテーション団体の活動を把握する中心資料は、当該団体が発行する会報であるが、会報は、原典に当たらない限り、該当の記述があるかどうかを確認ができないため、webでの検索では限界がある。検索結果を踏まえ、ニューヨーク公共図書館で、地区基準協会の資料におけるアクレディテーション活動に関する記述の検索を行った。 当初の目的であった南部地区基準協会に関しては、資料確認が難しかったため、前年度に引き続き、広くアクレディテーションについて文献を収集し、資料の充実に努めた。 これまでの研究では、セルフスタディが開発された経緯とその方針の全体像を明らかにしたが、その後の定着に関わる資料は十分に収集できていなかったからである。 現在、収集した欧文資料について、読み進めている。これまで2つの基準協会の歴史について、特に資料調査ができていなかった第2次世界大戦後のアクレディテーションの発展経過、昨年度新たに収集した南部地区基準協会の成立史をたどること、これらの基準協会の発展史における共通点と特性の比較研究を進めているところである。 これらを通して、大学関係者が自発的・自立的にアクレディテーションの導入・発展を支えてきたという仮説の検証に努めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、アメリカの高等教育におけるセルフスタディの定着とセルフスタディの展開を明らかにすることを目的としている。セルフスタディは、アメリカを代表し、世界でも導入が進んだ、大学評価システムであるアクレディテーションの中心的なプロセスである。そのアクレディテーションの実施については、すでに2つの地区基準協会(ニューイングランド地区基準協会、北中部地区基準協会)の成立過程を明らかにしている。アクレディテーションにおいてセルフスタディが本格的に導入されるのは、第2次世界大戦以後であるため、今年度は、1945年から1960年頃の資料について収集に努めた。 収集した文献については、年表の作成、当時の会報に掲載された論文や理事会等の議題から、当時のアクレディテーション活動や高等教育の課題がどのようなものであったのかの確認作業を行っている。 これらの分析を通して、アクレディテーションの普及とそこに関わる大学関係者の意識を明確にすることに着手している。また、南部地区基準協会については、成立史とその後の活動状況について、他の2つの基準協会については、アクレディテーションにおけるセル フスタディの定着と展開に関わる資料読みを進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は本研究の最終年度であることから、webを中心に、アクレディテーションを取り巻くアメリカの高等教育の状況に関する歴史的資料を広く検索し、地区基準協会の活動を側面的に検証できるような資料の収集に努める。 また、これまでの自身の研究では北中部地区基準協会がセルフスタディを開発したことを明らかにしたが、第2次大戦によって中断されていた定量評価から大学によるセルフスタディを中心にした評価への移行が、戦争を経てどのように果たされたのか、そのセルフスタディ中心の評価をニューイングランド地区基準協会、南部地区基準協会がいつ、どのよう にしてそれぞれ取り入れたのか、そこにどのような議論がなされたのかを明らかにすることを最終目的とする。研究成果は、論文の形で公表することを目指している。
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