2020 Fiscal Year Research-status Report
医療保健福祉分野における多職種間教育が卒後専門職行動に与える短・長期的教育効果
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18K02734
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
下井 俊典 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (30364649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 章吾 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (90317644)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多職種間教育 / IPE / 教育効果 / 専門職教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来より本学大田原キャンパスIPEプログラムに関しては、同教育効果測定を2年次IPEカリキュラム後から開始していたため、2019年度より、入学直後の学生を対象とした測定を開始した。その結果、入学直後の学生が有する専門職アイデンティティ(IEPS)およびIPE・協同学習に対する態度(RIPLS)について、領域、性別での違いは認められなかった(d = 0.17、η2 = 0.03)。しかし、連続性のないデータ間の比較ではあるものの、特定の領域については2年次に自職種アイデンティティが低値となった(d: 0.55- 0.80)。以上のことから、入学時には期待される専門職アイデンティティが高いにもかかわらず、2年次IPEカリキュラム(関連職種連携論)を含む2年間で専門職アイデンティティが低下する「IPEに対するリアリティショック」の存在が推察された。 また、大川キャンパスにおいては、2020年度、IPE3カリキュラムを3年間の階層的IPEプログラムとしてカリキュラム・デザインを再考し、その再設計による教育効果の測定を開始した。2020年度においては、3年次IPEカリキュラムについて、カリキュラム前後で測定し、大田原キャンパスの当該カリキュラムとの比較を行った。結果として今回、カリキュラム・デザインを再考した大川キャンパスについて、IEPS、RIPLSのいずれについても、カリキュラム前に対してカリキュラム後で有意に向上し、中くらい(medium)の効果量が得られた(d = 0.67 - 0.77)。対して大田原キャンパスについては、RIPLSのみカリキュラム前後の変化が認められたが、小さな(small)効果量しか得られなかった。以上のことから、適切なインストラクショナル・デザインにより、専門職アイデンティティ、IPEに対する態度のいずれも3年次に獲得させることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
量的研究に関しては順調に推移しているのに対し、質的研究については、研究計画の調整に支障が生じてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
量的研究については、現在、大川・大田原2キャンパスにて教育効果測定を実施しているが、本年度より小田原、成田キャンパスのIPEプログラムに対する教育効果測定を開始する予定である。 質的研究については、研究分担者との打ち合わせを再度調整し、本年度から確実に開始する。
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Causes of Carryover |
本年度は新型コロナウィルス拡大により、予定していた国際学会がオンライン開催となり、その発表予算として計上していた旅費が支出されなかったため。
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