2019 Fiscal Year Research-status Report
International Comparative Study on Indicators and Assessment Methods of Student Engagement Survey
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18K02735
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
相原 総一郎 芝浦工業大学, 教育イノベーション推進センター, 教授 (30212351)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 学修行動調査 / 教育の質保証 / グローバル・コンピテンシー / グローバル人材 / 研究大学 / 研究生産性 / 大学院教育 / 博士課程 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の研究成果は(1)グローバル・コンピテンシー指標の実用化、(2)アメリカ研究大学における博士大学院生の研究生産性の規定要因分析である。 (1)グローバル・コンピテンシー指標の実用化は、所属大学における共同研究の一環として実施した。グローバル・コンピテンシー指標を学修行動調査に組み込み、全学調査をする段階まで進んだ。グローバル・コンピテンシー指標にはMGUDS-S( Miville Guzman Universality Diversity Scale-Short Form )日本版を用いた。MGUDS-Sは、アメリカで開発されたグローバル・コンピテンシーの指標である。2019年度はMGUDS-Sのパイロット調査を実施した。そして、MGUDS-Sがグローバル・コンピテンシーの測定に有効であることを発表した。さらに、2020年度前期実施の学修行動調査にMGUDS-Sを組み込み、グローバル・コンピテンシーを全学調査する実用化の準備を整えた。グローバル人材の育成にあたり、この指標の開発は重要である。 (2)アメリカ研究大学の博士大学院生の研究生産性の規定要因分析は、アメリカ研究協議会(NRC)が実施した大学院生への調査データの分析である。学修行動調査において大学院生の研究は遅れている。しかし、カリフォルニア大学バークレイ校等では大学院生調査(gradSERU: Graduate Student Experience in the Research University)を始めている。2019年度は、gSERUの枠組でアメリカ研究協議会(NRC)のデータを分析した。そして、アメリカ研究大学における博士大学院生の研究生産性を規定する要因を発表した。研究生産性の規定要因分析は、大学院教育の指標を開発するための基礎研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第一に、グローバル・コンピテンシーの指標は、グローバル人材育成の教育評価に必要である。2019年度は、MGUDS-S日本語版を用いて、グローバル・コンピテンシー指標の実用にめどをつけた。そして、2020年度前期に全学調査の実施予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染の影響で留学プログラムが中止になる等があり予定通りの実施ができなかった。 第二に、博士大学院生の研究生産性の規定要因研究は、大学院教育の改革に重要な指標作成の基礎研究である。2019年度はアメリカや中国の研究成果を参照して、2020年度からは国際的な共同研究へ展開を企てていた。しかし、新型コロナウイルス感染の影響で海外渡航は自粛することになり予定通りに国際研究を推進できなかった。 2019年度末から、新型コロナウイルス感染の影響で、留学プログラムは多くが中止になった。海外渡航も自粛することになり、国際的な共同研究の立ち上げも頓挫した。2020年度の授業開始は延期になり、発表を予定していた学会大会も中止になった。こうした事情から2019年度末から2020年度にかけて研究の進捗状況はやや遅れていると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、グローバル・コンピテンシー指標の開発の推進には、留学プログラムが再開した後の全学調査の実施が望ましい。留学プログラム再開後の全学調査の実施とそのデータ分析をするには、研究期間を2021(令和3)年度まで一年延長する必要があろう。2020年度は、グローバル・コンピテンシーに関する文献研究とパイロット調査で回収したデータの分析が中心になる。 次に、博士大学院生の研究生産性の研究推進には、国内外の研究所や研究者との活発な研究交流が望ましい。それには海外渡航の自粛解除の必要があり、2021(令和3)年度まで研究期間を一年延長することが望ましい。2020年度は博士大学院生の研究生産性に関する文献研究とアメリカ研究協議会の大学院生調査等、既成のデータを二次分析が中心になる。
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Causes of Carryover |
この金額はマレーシアで開催予定であった国際会議HEPA2020の参加費である。新型コロナウイルスの影響で、この会議は中止になった。そのため次年度使用額が発生した。2020年度以降の国際会議の参加費に充当の予定である。
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Research Products
(8 results)