2018 Fiscal Year Research-status Report
Research and Development of Study Support System on campus for Student Athletes
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18K02741
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Research Institution | Yamanashi Gakuin University |
Principal Investigator |
長倉 富貴 山梨学院大学, 経営学部, 教授 (40516647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸野 邦男 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 講師 (80792697)
束原 文郎 桜美林大学, 総合科学系, 准教授 (50453246)
石川 勝彦 山梨学院大学, 学習・教育開発センター, 特任講師 (30714779)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 学生アスリート / 学習支援 / 大学スポーツ / クラブ / 運動部学生 / NCAA / 大学間ネットワーク / 学修支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の長期的な目標は、近年増加しているスポーツ推薦等で入学した競技志向の高い学生アスリートが「学業とスポーツの両立」を実現するために必要な、大学の学生アスリート向けの学修支援体制の整備である。そのためには学生アスリートの学業とスポーツの両立に際して大学と学生がそれぞれ抱える問題意識と課題について明らかにし、すでに学業とスポーツの両立のための支援システムが確立している北米の事例を調査し、現在の学修支援システムが整備されたプロセスと支援プログラム内容を明らかにすることが必要であると考え今回の研究の目的としている。調査から得られた結果を基に日本の大学に適用できる学生アスリートの支援プログラムの開発につなげたいと考えている。 H30年度は海外調査と国内調査を行った。6月に米国で開催されたNACDA(米国大学スポーツ局ディレクター全国協議会)の一部であるN4A(全国大学学生アスリート学習支援担当者会議)に研究代表者他2名が参加し情報収集すると同時に、N4A幹部スタッフであるDr.John氏へのインタビュー調査を実施した。インタビュー調査ではN4Aの42年の歴史から学習支援担当者会議の設立の経緯や変遷、大学の環境変化、大学アスリートへの学習支援プログラムの内容の変化について明らかにされた。9月には米国のNCAA(全米大学スポーツ協会)のディビジョン1に所属する5大学を訪問し、学生アスリート支援の組織体制や教室等のハード面の環境、具体的な支援内容、抱える課題、今後のビジョンなどについ て現地視察と担当者へのインタビュー調査を行った。 国内調査については学習支援現場におけるピュアサポート制度の運用やサポート学生への調査などで現場の課題や制度から得られる効果について測定し、また、学生アスリートの就業支援をする民間の会社と連携し学生アスリート自身の学業と競技の両立意識の実態について明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.6月に米国で開催されたN4Aのカンファレンスに参加し先進的取組の情報収集すると同時に、N4A幹部スタッフであるDr.John氏へのインタビュー調査を実施した。2.9月には米国のNCAAのディビジョン1に所属する5大学(University of Maryland、University of Florida, Florida State University, Temple University, UCLA, UC Berkeley)を訪問し、学生アスリート支援の組織体制や教室等のハード面の環境、具体的な支援内容、抱える課題、今後のビジョンなどについて現地視察と担当者へのインタビュー調査を行った。3.国内調査については、当初は国内のスポーツ推進を実施している大学約300校を選出しスポーツ統括部局もしくは学生課宛に質問紙を送付して学生アスリートの支援体制について調査を行う予定であったが、スポーツ庁主導の大学スポーツ協会(UNIVAS)の設置準備が進む中で各大学の状況はかなり流動的であり質問紙調査で一斉調査するのは適切でないと判断した。代わりに先進的な取り組みをしている大学担当者からヒアリングを行った。4.学習支援現場レベルの研究は一般学生を含む現場でのピュアサポート制度の運用やサポート学生への調査などで現場の課題や制度から得られる効果などを明らかにした。5.学生アスリートの就業支援をする民間の会社と連携し学生アスリート自身の学業と競技の両立意識の実態について明らかにした。6.大学教育学会等4つのフォーラムやラウンドテーブルで米国視察報告を行い日本における「学生アスリート支援」について議論する機会を提供した。また国内の学習支援担当者レベルの大学間ネットワークの必要性について議論した。7.今年度は情報収集と報告が中心となったため論文等へのアウトプットは来年度以降とする予定。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、大学スポーツ協会(UNIVAS)の動きを注視しながら各大学のスポーツ局の設置状況とスポーツ局の運営を担当するスポーツアドミニストレーター(SA)の配置状況を把握する。引き続き北米のN4Aのカンファレンスに参加し最新情報を収集すると同時に、米国先進事例調査から「効果的な支援プログラム」と 「日本の大学で活用可能なプログラム」を洗い出し、国内調査から得られた「実態」と「ニーズ」に合わせた学生アスリートを対象とした学修支援プログラムをまとめ公表していく。特に先進的な取り組みをしている国内の大学においては、ヒアリング調査を実施し、米国調査で行ったような具体的な支援内容、組織体制、人材配置、現在の課題について各大学の状況を明らかにする。その上で大学間で情報交換できるような米国N4Aのような担当者会議やネットワーク構築にむけてフォーラムやラウンドテーブルなどを開催し、議論を深め検討を進めていく予定である。合わせて学会発表や論文等で研究成果を発表していく予定である。
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Causes of Carryover |
残金が出た主な理由としては共同研究者の幸野が9月の米国調査にスケジュール調整の都合上参加できなかったため、翌年度に繰り越した。繰り越した助成金に関しては初年度に予定していて購入できなかった調査分析用のPCの購入と文献、学会発表等への国内旅費に使用する予定である。
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Research Products
(15 results)