2021 Fiscal Year Research-status Report
アメリカ高等教育におけるコミュニティ・エンゲージメントの評価に関する研究
Project/Area Number |
18K02744
|
Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
五島 敦子 南山大学, 教職センター, 教授 (50442223)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋元 みどり 青山学院大学, ボランティアセンター, 助手 (20729959)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 日米比較 / コミュニティ・エンゲージメント / サービス・ラーニング / 地域連携専門職 / SLCE |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大学と地域の連携による教育研究の質的向上策を探求することにある。本年度は日米比較の観点から、地域連携学習(SLCE:Service-Learning &Community Engagement)に携わる「地域連携専門職(Community Engagement Professionals: CEPs)」の力量形成をテーマとして研究を実施した。 その方法として、新たにSLCE研究会を発足し、日本と米国の研究者を招聘して計6回のオンライン研究会を実施した。第1回は、研究協力者の杉本昌彦と黒沼敦子(東京大学大学院)の報告があった。黒沼は米国大学の市民学習における地域連携専門職の役割等を報告した。第2回は、西川一弘准教授(和歌山大学)が地域連携コーディネーターの現状と課題を報告した。第3回は、秋元みどり(青山学院大学)が地域連携教育を担う大学教職員の資質・能力に関する研究動向を報告した。第4回は、間篠剛留准教授(日本大学)がテキストマイニングを用いたSLのカリキュラム分析について報告した。第5回は、米国よりTrina Van Schyndel氏(Membership Director, Imaging America)を招聘するにあたり、五島敦子(南山大学)がCEPsのコンピテンシー・モデルの研究動向を紹介した。第6回は、Schyndel氏により、CEPsがプロフェッショナル・アイデンティティを育む経緯について事例を踏まえた報告があった。これらの研究会の一部は、日本サービス・ラーニング・ネットワークの協力を得て公開講演会として実施した。 以上から、日米の共通課題としてCEPsを高等教育の新たな「プロフェッション」として確立し、育成するプログラム開発が必要であることが示された。また、コロナ禍における地域連携学習に関して、五島が米国の実情を、秋元が日本の実情を報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たに研究分担者を加え、日本サービス・ラーニング・ネットワークとの協力のもとで、国内外の研究者を招いて定期的に研究会を開催できた。申請当初の計画であった米国研究者招聘による公開講演会については、オンライン研究会により実行できた。これらの研究交流を通じて、地域連携に携わる専門人材の在り方について、職責、役割、待遇、アイデンティティ形成などの多様な観点から考察し、国際的視野から共通課題を析出することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
期間延長年度は、研究の総括として、これまで得られた知見を活用して地域連携専門人材のアイデンティティ形成を支援する実践プログラムを開発してワークショップを実行する。また、研究課題の深化のため、これらの課題を歴史的な視座からも幅広く探究する。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウィルス感染症まん延防止等重点措置に鑑み、研究会をオンラインで実施したことにより、米国訪問調査および米国研究者招聘のための旅費が不要になったためである。本年度は、研究代表者、研究分担者、研究協力者のそれぞれが、当初の計画であった米国訪問調査を実施する予定である。
|
Research Products
(7 results)