2022 Fiscal Year Annual Research Report
Possibilities and Issues of Supporting Children with Developmental Coordination Disorder Using Cross-Sports Basic Exercises
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18K02745
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
増田 貴人 弘前大学, 教育学部, 教授 (20369755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 知靖 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (90531806)
大山 祐太 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (60711976)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 発達性協調運動症(DCD) / ボール運動 / 生態学的視座 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍によって所属機関の校舎使用禁止などが重なり、実践が難しい状況が続いたことから研究の進捗も停滞したため、当初計画より延長して、インクルーシブなスポーツ横断型身体活動支援実践の継続とともにその結果を分析し、また海外の研究者との意見交換等をふまえて研究のまとめにつなげようとした。2022年度を最終年度として、欧州・ドイツで行われていたインクルーシブなスポーツ横断型身体活動支援実践を参考にして、発達性協調運動症及びその疑いを含む幼児・低学年児童・高学年児童に対し、個別または小集団活動にて試みた。当初の計画よりも規模・活動を縮小しなければならない状況ではあったものの、活動を縮小の有無を問わず、対象児本人の意欲をいかに喚起するかという側面が継続的な活動参加並びに運動協応性スキルの向上、それぞれに大きく影響していることが改めて確認された。なかでも、発達性協調運動症が疑われる対象児らにおいては、大きな集団での活動よりもかえって参加意欲が高まっているように見受けられ、しっかりと自分に寄り添ってくれているという安心感が、運動技能指導の側面よりも重視していることが示唆された。言い換えれば、発達性協調運動症児支援には、単純な身体運動的側面を強化するだけでは十分ではなく、彼らのなかで二次的に重積されてきた心理情緒的課題(うまくできない、ばかにされたなど)への対応にも目を向け、しっかりと支援者が対象児に向き合っていることがその子に伝わるように、子の背景に合わせ支援を模索・考慮していく必要がある。
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