2018 Fiscal Year Research-status Report
脳の酸素消費状態の評価に基づいた重度脳障害児の表出行動に伴う活動負荷の解明
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18K02751
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
渡邉 流理也 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (40750120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 弘一郎 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (40350813)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 重度脳障害児 / NIRS / 活動負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、行動表出がきわめて困難であり、また病態により日常的に行う活動が体力的に制限されている重度脳障害児の学習に関する活動と脳酸素消費との関連を検討し、重度脳障害児の能動的な表出行動がどの程度の負荷となるのかを解明することを目的としている。 本年度は以下の3課題に取り組んだ。1つめの課題として脳機能測定装置のアタッチメントの開発(渡邉・宮地)であるが、本研究の対象が重度脳障害児であるために、測定負荷を考えた場合に、近赤外線分光測定法(NIRS)機器のうち、装着が簡易で拘束性が低い必要があることから、既存の携帯型のNIRS機器を検討し、装着の際にアタッチメントについても検討を行った。その結果、測定部位は2部位から4部位の間の計測が可能な装置を選択し、アタッチメントについても、機器を実験参加者に接着させる工夫により、プローブなどの重量感を軽減し、持続的な測定による拘束感を減らすことが可能になった。2つ目の課題である活動負荷に関する計測デザインの検討(渡邉)については、重度脳障害児の能動的な表出行動を測定するために、その準備段階として行う健常成人の測定で類似した負荷となる計測デザインを検討しており、従来のS1-S2パラダイムに基づいた計測デザインを参考に刺激を変更し検討している最中である。3つ目の課題である大学生を対象にしたアタッチメントの運用(宮地)については、この2つ目の課題で検討している計測デザインについて、大学生を対象にNIRSの計測と心拍の測定を行い、重度脳障害児への適応に向けて検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は、当初予定していた重度脳障害児への予備的な検証までを課題にしていたが、測定機器やアタッチメントを含め、ほぼ予定通りに整備でき大学生への計測まで実施することができた。次年度では、まだ検討中である計測デザインやアタッチメントの測定部位を確定させ、重度脳障害児へ実践的検討に向けてNIRSと心拍による計測準備を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度の成果を踏まえて、2019年度では引き続き活動負荷に関する計測デザインについて、重度脳障害児の活動負荷へ適応にむけて、大学生においてまず精度が高く検出可能なデザインを検討する。この計測デザインについてはアタッチメントを装着する計測部位の検討と合わせて、大学生を対象に試行しながら確定していく。これら大学生での検討を基に、重度脳障害児の活動負荷について事例を対象とした検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
当初、測定装置の選定のためのリースを1か月と予定していたが、評価に時間がかかり機器のリースを1か月延長する必要が生じたため、次年度経費を一部前倒し請求し、その費用に使用した。
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