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2020 Fiscal Year Research-status Report

学習困難児における実行機能評価と個別指導に関する研究:shiftingに着目して

Research Project

Project/Area Number 18K02759
Research InstitutionKagawa University

Principal Investigator

惠羅 修吉  香川大学, 教育学部, 教授 (70251866)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 西田 智子  香川大学, 教育学部, 教授 (00243759)
中島 栄美子  香川大学, 教育学部, 准教授 (70533884)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords実行機能 / 学習困難 / 語想起課題 / 心理アセスメント
Outline of Annual Research Achievements

学習につまずきのある児童生徒に対して個の認知特性に即した教育実践を実現するために,認知機能のアセスメントの開発と活用に関する研究を進める必要がある。学習困難児によくみられる認知特性の一つとして,実行機能の弱さがある。本研究では,この実行機能に焦点をあて,実行機能の評価とそれに基づく支援方法を開発することを目的とする。具体的には,①基礎研究として、実行機能の評価方法に関する基礎研究を行うことで検査が反映する認知機能を詳細に分析する。②実践研究として、学習困難児を対象として実行機能評価に基づく支援方法のあり方について個別指導による事例研究を行い,教育指導における教育実践的な有効性について検証する。
2020年度は,新型コロナウイルス感染防止のため,検査で身体的接触を伴う基礎研究については実施することが困難であり,準備に留まらざるをえなかった。実践研究については,予定通りに実施した。基礎研究としては、実行機能のなかでも「転換 shifting」について検証するための試行実験を実施した。実行機能を反映する課題として語想起課題とトレイル・メーキング課題を取り上げた。課題遂行状況と遂行中の前頭前野の活性化との関連について、過去のデータの再分析を行った。前頭前野の活性化についてはNIRSによる脳酸素代謝変化を指標し、課題遂行の時間経過に伴うOxyHb濃度変化量の変動を測定した。実践研究では、通常の学級に在籍する生徒で作文に困難をある事例を対象に、実行機能の視点からの個別の指導計画を作成して、指導実践した。さらに今年度は算数困難に関連した実践的な検討を実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

本実験を予定していた時期に,日本において新型コロナウイルス感染の第2波,第3波が出現した。感染拡大や非常事態宣言を受け,大学は原則オンライン授業となり,検査協力者の候補である学生が大学に登校できない期間が継続した。基礎研究については,検査のため身体的接触が必要な手続きがあり,濃厚接触に該当することが危惧されたため,基礎研究の検査実験を延期せざるを得ない状況であった。

Strategy for Future Research Activity

2021年度は,コロナ禍の影響を受けて延期せざるを得なかった基礎研究を中心に,感染防止に最大限の配慮をしながら研究を実施する。
基礎研究:実行機能検査として採用する語想起課題では,前回科学研究費補助金研究で実施した検査手続きを基本的に継承する。この手続きは,小学生や軽・中度知的障害児でも実施可能であり,対象範囲を比較的限定しない手続きである。語想起課題とは,共通属性を有する単語を限定された時間内で可能な限り報告する単語検索課題である。通常,報告された単語の総数が指標となる。課題遂行中の反応特徴として,時間経過に伴い再生数が急速に低下する現象がある。この検索効率の減衰現象は,検索方略の使用すなわち実行機能の関与が時間経過により変動することを示唆する。本研究では,語想起課題に手がかりを切り替えて実行する条件を加えることで,実行機能の諸要因のなかでも「転換 shifting」に該当する要因について検証する。行動指標として総再生数と時間経過による減衰率の2つの行動指標とする。反応とともに課題の前頭葉活動を近赤外分光法により測定することで,行動指標と前頭葉活動の関連性を解明する。近赤外分光法による計測・解析については,この領域で研究実績のある研究分担者と共同して実施する。
実践研究:学習困難児の心理アセスメントでは複数検査を組み合わせることが重要であり,実行機能に関わる他検査との関連性を把握しておくことの臨床的意義は高い。そこで複数名の対象児を設定し、心理アセスメントとそれに基づく指導を行い、実行機能検査の妥当性を臨床的に検討する。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染拡大のため,当初予定していた実験計画に遅れがあり,それに伴って消耗品の購入が少なくなった。また,学会が中止あるいはオンライン開催となり,当初計画していた出張旅費を使用する機会が無くなってしまった。
次年度には実験の不足分を行うので,本年度の残額はその消耗品費として活用する計画である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] トレイル・メイキング・テスト(Trail Making Test)遂行時における前頭葉脳血流の変化:日本版DN-CAS認知評価システムの下位検査「系列つなぎ」を用いて2021

    • Author(s)
      惠羅修吉・西田智子
    • Journal Title

      香川大学教育学部研究報告

      Volume: 4 Pages: 59-65

URL: 

Published: 2021-12-27  

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