2022 Fiscal Year Annual Research Report
A qualitative study on self-development and problems of educational practices in hospitals as seen from the narratives of chronically ill children
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18K02760
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
齋藤 淑子 都留文科大学, その他部局等, 地域交流研究センター協力研究員 (30817755)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 慢性疾患 / 自己の形成 / ナラティヴ / 病院内教育 / 院内学級 / 教師の専門性 / PTSD・心的外傷 / 長期フォローアップ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究期間全体を通して、病院内教育で学んだ生徒たちの作文、詩、手芸、工作、絵画、写真、音楽等のナラティヴ作品とその作品についての本人、家族、教員による解説を収集し、データー編集して、2020・2021年度全国病弱教育研究会東京大会にてweb作品展「東京の病弱教育の主人公たち」として発表した。2022年度は、新たな作品と高校生たちの病院内教育に関する論文を収録し「東京の病弱教育の主人公たち作品集」(126ページ)を制作し、講読希望があった教育関係者、医療施設、支援団体等に配布した。多くの読者から、闘病中であっても子どもたちは豊かな表現力を発揮しながら学んでいることや病院内教育の重要性について理解が深まったとの感想が寄せられた。目下、コロナ禍で延期となっていた作品展を2023年6月に東京のギャラリーで開催する準備に取り組んでいる。 2.2022年度は病院内教育経験者4名、保護者3名、教員1名、医療者1名から聞き取り調査を行った。全期間を通して延べ20名から調査を行うなかで、慢性疾患を抱えながら生きる子どもと家族たちの様々な課題や生活史を探求するこことができた。とりわけ多くの子どもたちが、入院中のみならず退院後の学校・社会生活において深刻な身体・心理・社会的な困難を抱えていること、同時にその対処において病院内教育での学びの経験と同質の課題を抱える仲間の存在が大きな支えとなっていることも明らかになった。 3.2022年度は日本臨床教育学会、日本癌学会(ランチョンセミナー)、特別ニーズ教育学会、日本育療学会にて、入院中の子どもの教育の現状と課題、ナラティヴの重要性、教師の役割等について発表し、病気の子どもへの理解を深める良い機会になったとの評価を得た。 4.「臨床教育学研究第11巻」に共同執筆論文「小児がん経験者の語りからとらえた病院内教育の教員の専門性について」の掲載が決定している。
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