2022 Fiscal Year Research-status Report
レット症候群児(者)の手の常同運動を減少させる効果的で具体的な介入方法の開発
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18K02761
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
平野 大輔 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (90572397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝二 博亮 茨城大学, 教育学部, 教授 (30302318)
後藤 純信 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (30336028)
谷口 敬道 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (90275785)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レット症候群 / 常同運動 / 上肢機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、レット症候群児(者)の手の常同運動を減らす効果的で具体的な介入方法を開発することを目的に、以下の4つの研究を行う。研究①として全国調査によって、手の常同運動を減らす具体的な介入方法を抽出する。研究②として動作解析から、常同運動の変化を定量的に評価できる運動学的指標を導く。研究③として脳機能測定から、常同運動が減る時の脳活動の状態を可視化する。研究④として研究②の運動学的指標と研究③の脳活動の状態を基に、研究①から抽出された介入方法の効果を検証し、効果的で具体的な介入方法を示す。 研究①については、レット症候群児(者)の手の常同運動についての保護者の考えと、保護者の考えに影響を与える子どもの因子を明らかにした。72名の保護者から返送頂き、66名の保護者から手の常同運動についての考えが収集された。保護者から挙げられた考えは「手の常同運動に対する悩みや心配、ストレス等」33名、「手の常同運動による皮膚損傷の発生」29名、「手の常同運動を減らす等の必要性がないという思い」28名、「手の常同運動を減らしたい等という思い」26名の順であり、23の考えが抽出された。「手の常同運動に対する悩みや心配、ストレス等」を挙げた保護者の子どもは、挙げなかった保護者の子どもに比べ、知的発達が遅れ、上肢の操作性が低かった。「手の常同運動を減らしたい等という思い」を挙げた保護者の子どもは、生活年齢が低く、知的発達が遅れ、上肢の操作性が低かった。研究②と研究③、研究④については、健常成人での検討や先行研究での検討から、手の常同運動や知的な遅れに対する対応できる具体的な測定方法を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の所属施設とその周辺、研究対象者及び研究代表者の実家が令和元年台風第15号及び第19号並びに令和元年10月25日に発生した大雨の影響により被災したことと、また、研究①は2018年度実施予定であったが、2016年度調査結果を整理し、2020年度の実施となった。さらに、2019~2022年度の新型コロナウイルス感染症の拡大によって、レット症候群児(者)を対象とした研究②と研究③、研究④の実施が困難であった。これらの理由で進捗状況がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、当初の計画通りにレット症候群児(者)の手の常同運動を減らす効果的で具体的な介入方法を開発することを目的に、以下の4つの研究を行う。研究①として全国調査によって、手の常同運動を減らす具体的な介入方法を抽出する。研究②として動作解析から、常同運動の変化を定量的に評価できる運動学的指標を導く。研究③として脳機能測定から、常同運動が減る時の脳活動の状態を可視化する。研究④として研究②の運動学的指標と研究③の脳活動の状態を基に、研究①から抽出された介入方法の効果を検証し、効果的で具体的な介入方法を示す。 2023年度は、研究①の結果を基に研究②として常同運動の変化を定量的に評価できる運動学的指標を決定する。そのために、健常成人での予備実験後、レット症候群児(者)約50名を対象に、手の常同運動の映像を記録する。その映像から動作解析を行い、各関節の動き、速度、角度などから常同運動の変化を定量的に評価できる指標を明らかにする。研究③として常同運動が減る時の脳活動の状態の可視化として、健常成人での予備実験後、レット症候群児(者)約50 名を対象に、通常の常同運動時と常同運動が減る時の前頭前野や運動関連領野の脳活動を、機能的近赤外分光法や脳波を用い測定・比較し、常同運動が減る時の脳活動の状態を明らかにする。研究④として手の常同運動を減少させる効果的で具体的な介入方法を決定する。そのために、健常成人での予備実験後、レット症候群児(者)約50名を対象に、研究②の運動学的指標と研究③の脳活動の状態を基に、研究①から抽出された介入方法の効果を検証し、常同運動を減少させる効果的で具体的な介入方法を明らかにする。
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Causes of Carryover |
(理由) 研究①は2018年度実施予定であったが、2016年度調査結果を整理し、2020年度の実施となり、分析を2021~2022年度にかけて行ったことによる。また、2019~2022年度の新型コロナウイルス感染症の拡大によって、レット症候群児(者)を対象とした研究②と研究③、研究④の実施が困難であったことによる。 (使用計画) 次年度使用額については、2019~2022年度実施予定の測定を行う。
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Research Products
(4 results)