2019 Fiscal Year Research-status Report
読み分け困難で繙く低出生体重児の音読能力と視覚認知能力に関する実証的研究
Project/Area Number |
18K02762
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
内山 仁志 島根県立大学, 人間文化学部, 准教授 (60348604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田部 夏子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (20406242)
竹内 章人 独立行政法人国立病院機構岡山医療センター(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター(臨床研究部), 新生児科医師 (40731386)
原田 浩司 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (40738168) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 低出生体重児 / 早産児 / 視覚認知 / 音読 / 字づまり視力 / 読み分け困難 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「読み分け困難」という視覚特性に着目し、低出生体重児(以下、LBW児)と健常児(以下、TD児)の比較を通じて、その能力が音読能力と視覚認知能力に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。 2019年度は学習障害(以下、LD)を伴うLBW児6名、LDを伴う非LBW児5名、TD児1名のデータを取得した。字ひとつ視力(AV)よりも字づまり視力(CV)で著しく低下したのはLDを伴うLBW児の1名であった。また、子供の状態によって予定していたすべての課題をできない場合があった。 2019年度は短期間であるが早産児の長期コホート研究を現在も実施している豪州の研究施設(Murdoch Children's Research InstituteとMonash University)に訪問研究員として滞在した。そこでさまざまな研究者とLBW児および早産児研究に関する討議を行い、新たな情報を得た。今後も研究に関して協力体制をとっていく。また本研究内容を脳画像解析研究へ発展させる計画について話し合った。 2020年度は引き続き研究対象となるLBW児、TD児のデータを取得する。LBW児はLDの合併が多いが、その場合、読み分け困難度が重度になることが予測される。そのためTD児とLDを伴う非LBW児、LDを伴うLBW児の3群の比較も検討する。 当初、脳波実験を計画していたが、COVID-19の影響により密接した実験の実施は困難であるため、脳波実験は取りやめ、行動データのみを行うように研究内容を変更する。また研究データの取得事態が想定しているとおりには進まない可能性もあることを念頭に置き、現在あるデータについて、再度詳細に解析をすすめる。 2020年度は最終年度となるため、学会発表に向けてデータ処理を行うとともに論文執筆も同時並行で実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の影響で春休みに実施を予定していたTD児を対象とした評価ができなかったため、2020年度に繰り越す。このため、当初の予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度も引き続き研究対象となるLBW児、TD児のデータを取得する。LBW児はLDの合併が多い。LDを伴う場合、読み分け困難度が重度になることが予測される。実際にLDを伴うLBW児で読み分け困難度が重度であるという結果を得ている。そのためTD児とLDを伴う非LBW児、LDを伴うLBW児の3群の比較も検討する。 当初、脳波実験を計画していたが、COVID-19の影響により密接した実験の実施は困難であるため、読み分け困難課題、音読課題、視覚認知課題の行動データのみを行うように研究内容を変更する。また研究データの取得事態が想定しているとおりには進まない可能性もあることを念頭に置き、現在あるデータについて、再度詳細に解析をすすめる。2020年度は最終年度となるため、学会発表に向けてデータ処理を行うとともに論文執筆も同時並行で実施する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、共同研究者の支出が来年度に持ち越されたため。最終年度に各分担研究者により使用される予定である。
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