2020 Fiscal Year Research-status Report
読み分け困難で繙く低出生体重児の音読能力と視覚認知能力に関する実証的研究
Project/Area Number |
18K02762
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
内山 仁志 島根県立大学, 人間文化学部, 准教授 (60348604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田部 夏子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (20406242)
竹内 章人 独立行政法人国立病院機構岡山医療センター(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター(臨床研究部), 新生児科医師 (40731386)
原田 浩司 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (40738168) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 低出生体重児 / 早産児 / 視覚認知 / 音読 / 字づまり視力 / 読み分け困難 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「読み分け困難」という視覚特性に着目し、低出生児(LBW)児と非LBW児の比較を通じて、その能力が音読能力と視覚認知能力に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。 2020年度はデータ取得は出来なかったため、これまでの2年分のデータを整理して、6~12歳のLBW群(6名)と非LBW群(13名)で読み分け困難視力を比較した。その結果、両群ともに字ひとつ視力は平均1.5以上あるにもかかわらず、読み分け困難視力においては、低下していた。特に字多数視力(CVM)とランドルト環1個分の間隔にFlankerをおいた読み分け困難視標(CV1.00)では、LBW群の視力が非LBW群よりも低下し、判読しやすさに差異があることが分かった。一方で、ランドルト環1/2個分、あるいは1/4分の間隔にFlankerをおいた読み分け困難視標(CV0.50、CV0.25)では両群ともに読み分け困難視力が低下した。一般的に9歳頃までは読み分け困難症状が定型発達児でもみられることが知られているため、CV0.50,CV0.25での両群の低下は未だ読み分け困難症状があることを示している。しかし、CVMやCV1.00での違いが見られたことから、LBW児では、その影響が非LBW児よりも強く残っている可能性がある。これらの違いは音読課題での読みやすさや図地判別のような場面での視覚認知に影響すると考えられる。今後、それぞれのデータと比較して、その関係性を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度より引き続きCOVID-19の影響により、思うように対象児の評価が出来ていない。そのため学会発表や論文執筆に耐えうるだけのデータがなく、予定していたそれらの進捗も芳しくない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
対象児の読み分け困難視力データ、視覚認知データ、音読データに関するすべてが取得できている例が少ないため、読み分け困難視力データを軸に少数ながら視覚認知、音読との関係についてデータ解析を進める。COVID-19の影響で対象児数を増やすのは難しい状況であるが、できる限り解析に耐えうるデータを蓄積し、学会発表、論文執筆を行うこととする。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、児童データの取得が困難となり、研究遂行に支障を来したため。
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