2019 Fiscal Year Research-status Report
Creating a Theory of Tactile Learning:How the Visually-impaired Can Form the Image of Outdoor Space
Project/Area Number |
18K02772
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
廣瀬 浩二郎 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 准教授 (20342644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 清龍 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (50323473)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | まちあるき / ユニバーサル・ミュージアム / 視覚障害 / 射真 / 触察 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年7月に滋賀県・信楽において「射真」ワークショップを実施した。「射真」とは、視覚以外の感覚を用いて体験を記録する手法であり、今回は粘土による型取り(フロッタージュ)で作品制作に取り組んだ。午前中にまちあるきを行い、その印象を元に午後に「射真」作品を制作した。参加者は40名余で、そのうち7名が視覚障害者である。今回も、視覚障害者の触察シーンを中心に、まちあるきの様子をビデオ撮影した。 本ワークショップの内容、成果については、19年11月に開催された国立民族学博物館の公開シンポジウム「日本におけるユニバーサル・ミュージアムの現状と課題」で、研究分担者の山本が報告した。また、ワークショップ参加者が制作した「射真」作品は、21年秋に開催される国立民族学博物館の特別展「ユニバーサル・ミュージアム」において展示する予定である。特別展の図録でも、このワークショップの概要を紹介する準備を進めている。 20年3月には、東京・人形町周辺でまちあるきワークショップを実施した。参加者は30名余で、視覚障害者の参加は6名だった。東京では粘土ではなく、紙を用いるフロッタージュに挑戦した。まちあるきワークショップは、視覚障害者の空間イメージの形成、および触察行動を分析する本プロジェクトの研究を進める上で、きわめて有効な手段である。20年度も引き続き、まちあるきと作品制作を組み合わせるワークショップを企画・実施したい。 20年3月には、上記二つのワークショップの成果を踏まえ、研究代表者の廣瀬が米国のミシガン大学、ミシガン州立大学において研究発表した。視覚障害教育の専門家、および博物館学関係の研究者・学生と交流できたのは、プロジェクトの最終年度に向けて刺激となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロジェクト2年目に当たる19年度も順調に研究を遂行することができた。とくに7月と3月の2回、ユニークなワークショップを実施できたのは大きな成果といえよう。また、研究代表者・分担者ともに、プロジェクトの中間報告と位置づけられる研究発表を行うことができたのも有意義である。本プロジェクトとも密接に関連する国立民族学博物館の公開シンポジウムの報告書は、特別展の図録として21年に刊行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
20年9月~12月に国立民族学博物館の特別展「ユニバーサル・ミュージアム-さわる!“触”の大博覧会」が開催される予定だった。しかし、この特別展はコロナ禍により21年秋に延期されることになった。20年度は本プロジェクトの最終年度でもあり、特別展と連動する形で、さまざまなワークショップ、研究集会を実施する計画を立てていた。特別展との連携が難しくなったため、今年度中にプロジェクトが完結できるように、複数のワークショップ実施と研究発表のための出張を計画したい。 コロナ禍により、ワークショップの実施は年度後半になると思われる。過去2年間、信楽でワークショップを行なってきたので、3年間の研究活動を総括するような野外(まちあるき)ワークショップを実施したい。また、プロジェクトの成果については、年度後半に海外(米国または英国)の学会、研究集会での報告を予定している。
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Causes of Carryover |
20年9月~12月に開催予定だった国立民族学博物館の特別展「ユニバーサル・ミュージアム」を活用した研究の深化、成果の発表を考え、19年度の予算額の一部を20年度に繰り越した。特別展は21年に延期されたため、20年度は充実したワークショップの企画、および海外での研究成果の発表に資金を使用したい。
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Research Products
(11 results)