2021 Fiscal Year Annual Research Report
Creating a Theory of Tactile Learning:How the Visually-impaired Can Form the Image of Outdoor Space
Project/Area Number |
18K02772
|
Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
廣瀬 浩二郎 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 准教授 (20342644)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 清龍 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (50323473)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 視覚障害者 / ユニバーサル・ミュージアム / 触察 / 野外活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の最大の成果は、国立民族学博物館の特別展「ユニバーサル・ミュージアム」(9月2日~11月30日)を開催したことである。研究代表者の広瀬は実行委員長、研究分担者の山本は実行委員として、本展の企画に関わった。コロナ禍のため、20~21年度に計画していた野外でのワークショップ、実証実験ができなかったのは残念だが、延長分を含め、4年間の本プロジェクトの研究成果は、特別展で十分に公開できたと考えている。特別展が本プロジェクトの趣旨を深化させる場になったのは間違いない。 特別展のセクション2「風景にさわる」では、広瀬と山本が中心となって実施した信楽での陶芸制作・まちあるきワークショップの成果物を展示することができた。また、広瀬編の特別展図録には、広瀬が論文二つとコラム一つ、山本が論文一つを寄稿している。本図録は、日本におけるユニバーサル・ミュージアム研究の基本文献として、各方面での活用が期待される。 視覚障害者を交えた野外活動としては、21年11月3日に「Love Stone Project」(石磨き体験)のワークショップを行なった。本ワークショップの準備、資料運搬のため、科研費を使用した。当日は100名以上の来館者が集まり、障害の有無に関係なく、すべての参加者が石の触感の変化を楽しんだ。本ワークショップの概要は、「空間イメージ形成」の要素も加味し、広瀬が著書で報告する予定である。 21年12月18日には特別展、および科研プロジェクトの締め括りという位置づけで、「国立民族学博物館友の会」講演会に広瀬と山本が登壇した。広瀬が特別展の総括をした後、山本が視覚障害者の触察行為に関するこれまでの研究を整理し、さらにコロナ後の展望を述べた。本プロジェクトにおいて、野外活動の実証実験が不十分だったのは確かだが、来年度以降、新プロジェクトを立ち上げて継続的に取り組んでいく所存である。
|