2020 Fiscal Year Annual Research Report
Brain network of specific Kanji writing disability: a MEG study
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18K02773
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
稲垣 真澄 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, 客員研究員 (70203198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀 佳美 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, 室長 (20436877)
軍司 敦子 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (70392446)
江頭 優佳 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, リサーチフェロー (10793200)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 学習障害 / 脳磁図 / 書字障害 / 視覚情報処理 / 逸脱反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年度目に実施した健常小児18名と学習障害小児10名に対するデータ解析を実施した。その結果、同一熟語のフォント違いによる逸脱反応については定型発達児において一次視覚野服側路を活動源とする逸脱検出反応が得られた。しかしながら、学習障害児では逸脱反応がみられなかった。熟語と偽字の形状変化における逸脱検出は定型発達児、学習障害児ともに得られた。その特徴としては、学習障害児の方が刺激入力初期の活動源が多く、詳細な検討により一次視覚野背内側路に活動源があった。また、同一熟語のフォント違いによる逸脱の処理速度について150ms以内の刺激の処理速度が学習障害児の方が定型発達児よりも遅かったことから、学習障害児は輝度や空間情報の違いなど文字認知の情報処理以前の視覚処理に困難があるとの可能性が考えられた。また、偽字と比較して熟語刺激に対する処理潜時が遅かった部位が定型発達児と学習障害児で異なる点もという特徴もあり、定型発達児では紡錘状回近傍で熟語処理の潜時が遅かったが、学習障害児は一次視覚野背内側路であった。 上記の解析所見は、学習障害児では150ms以内の文字刺激の処理に紡錘状回を使用していないあるいは使用できない代わりに、一次視覚野背内側路を使用している可能性を示唆する。小児という発達期にある脳磁場反応の解析にはフィッティングに用いる標準脳の特殊性等の観点から、より詳細な検討が必要である。したがって専門家の協力を得てさらに解析精度を高めていく。
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