ＩＣＴ活用による病気学習支援システムの構築に関する研究

2018 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K02778
• Research Institution: Akita University
• Principal Investigator: 藤井 慶博 秋田大学, 教育学研究科, 教授 (20711542)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 病児 / 学習支援 / ＩＣＴ / 教員

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は，ＩＣＴを活用した病児への学習支援に関する学校の実態や教員の意識を解明することである。それらの知見をもとにＩＣＴを活用した病児学習支援の実践を通して効果を検証し，そのシステムを構築することである。
2018年度は、小・中・高等学校の教員を対象に、学校における病児の学習支援の実態に関する質問紙調査を行った。質問内容は「ＩＣＴを活用した病児学習支援に関する教員の意識」「教員のＩＣＴリテラシー」「学校のＩＣＴ環境の状況」等であり、学習支援を行う上での促進要因や阻害要因を解明する。これらの成果を踏まえて，2019年度以降の，「ＩＣＴ活用による病児学習支援の実践とその効果の検証」に反映させることとしている。
現在、調査結果の分析中であるが、回答した教員の多くは、ＩＣＴを活用した病児学習支援の趣旨には賛成するものの、多忙化やＩＣＴリテラシーに関する課題、病児のプライバシーの問題など、解決すべき多くの課題が指摘されている。これらの課題解決の方策を探り、有効な学習支援の実践が期待される。
また、計画では2019年度から実施する「ＩＣＴ活用による病児学習支援の実践とその効果の検証」を、Ａ県の小学校１校において前倒しで行った。その成果や課題について、関係教員へのインタビュー調査も実施した。今後分析を行う予定であるが、インターネット環境の整備や教員のリテラシー、管理職のリーダーシップと校内体制の整備に関する課題が浮き彫りになっている。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2018年度に計画した質問紙調査を実施したものの、分析途中であるため、当該計画については若干遅れている。
一方、2019年度に計画しているＩＣＴ活用による病児学習支援の実践とその効果の検証を前倒しで実施できた。
これらのことを勘案し、おおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

まずは2018年度の計画である質問紙調査の分析を行い、論文にまとめる。
並行して、2019年度～2021年度の計画である「ＩＣＴ活用による病児学習支援の実践とその効果の検証」に着手する。この研究については、一部前倒しで行い、ノウハウを得ている。また、研究協力校も見つかっているのですぐに着手可能である。

Causes of Carryover

旅費と物品費（特に郵便代）が予定より少額であったために生じたものであり、実施計画そのものには影響がない。次年度使用額にささいては、次年度の実施計画に加え,病児ＩＣＴ活用の実践校の視察等旅費に充てる計画である。