2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of the comprehensive and hierarchical intervention model for behavior problems in the special high school for intellectual disabilities
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18K02790
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
井澤 信三 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (50324950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 章司 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (00610346)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 知的障害 / 自閉症 / 特別支援学校高等部 / 行動問題 / 包括性・階層性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、以下の4点について実施した。①知的障害特別支援学校高等部におけるASD(Autism Spectrum Disorder)、ADHD(Attention Deficit/Hyperactivity Disorder)、mID(mild Intellectual Disability)等のある生徒が示す行動問題に関する研究レビュー:知的障害特別支援学校高等部におけるASD、ADHD、mID等のある生徒の生徒指導上の課題と現状についての先行研究のレビューを行った。そのレビューでは、特別支援学校における生徒指導上の課題とその対応例として、「不登校」と「異性とのつきあい、性的な問題」に焦点を当て、一次的支援(学校全体・学年全体での通常の授業や日常的な関わりの中での支援)、二次的支援(個別的な課題に対応した小集団における支援)、三次的支援 (個別的な喫緊の課題に対応した個別的な問題解決的支援) といった階層の必要性を指摘した。②知的障害特別支援学校高等部における生徒指導に関する聞き取りによる実態調査:高等特別支援学校(知的障害)2校において、関係教員からの生徒指導の現状と課題についての聞き取りを行った。その聞き取りの結果からも、日頃の授業における生徒への指導・支援の充実と個別的な問題解決的支援の必要性が示唆された。③国内における先進的な学校等への視察調査:これは学校との日程調整がつかず、実施に至らなかった。④海外の特別支援学校等における学校全体における階層性モデル(SWPBS)の情報収集:オハイオ州コロンバス(Winterset elementary school , Hamilton STEM Academy, Haugland Learning Center)への視察訪問を実施し、聞き取りをもとに、それらについて資料の整理・分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに4つの研究が実施されてきている。①知的障害特別支援学校高等部におけるASD、ADHD、mID等のある生徒が示す行動問題に関する研究レビューについては、当初の系統性の高いレビュー(たとえば、障害種と行動問題種類のクロス集計)を目指していたが、該当する学術論文が少ないこともあり、それには至らなかったが、行動問題の実態、及び生徒指導の課題としての不登校と性的問題に焦点を当てたレビュー論文としてまとめることができた(井澤ら, 2019)。②知的障害特別支援学校高等部における生徒指導に関する聞き取りによる実態調査は、当初の予定通り、協力を得られた2校において実施することができた。③国内における先進的な学校等への視察調査については、視察先との日程調整が不調に終わり、実施に至らなかった。④海外の特別支援学校等における学校全体における階層性モデル(SWPBS)の情報収集が他の助成を受けることができたこともあり、今年度の予定ではなかったが、計画よりも先行して実施することができた。以上のことより、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究①~研究④までを同時的に進めていく。まず、昨年度実施できなかった国内における先進的な取組を行っている知的障害特別支援学校高等部への視察(研究③)を行い、聞き取り調査及び資料の分析を行うことで、グッドプラクティスのデータを蓄積していく。併せて、昨年度実施した知的障害特別支援学校への聞き取り調査(研究②)について、昨年度に引き続き実施を行い、知的障害特別支援学校高等部における行動問題への支援の現状と課題の分析を行う。それは、関連する先行研究レビュー(研究①)と連動させ、特に「異性とのつきあい等の性的な行動動問題」に焦点を絞り、予防的支援と問題解決的支援の双方からの性教育プログラムの在り方を検討する。④海外視察については、昨年度に先行して実施したが、今年度もその実施を検討する。さらに、知的障害特別支援学校高等部における行動問題への包括的・階層的介入に関するグッドプラクティスを収集するための、及び研究①~研究④に関する情報発信のためのwebを立ち上げることを計画している。
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Causes of Carryover |
(A)国内における知的障害特別支援学校高等部における先進的な取組への視察(聞き取り調査)に係わる旅費、(B)国内における知的障害高等部への聞き取り調査費、(C)聞き取り調査のデータ分析へのアルバイト謝金、(D)研究成果の発表のための国内・国際学会等への参加旅費、(E)テーマに係わる情報収集・情報発信のためのWeb作成費用、(F)レビュー研究を進めていくために関係する図書等の資料・教材購入費、などに使用する計画である。
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Research Products
(9 results)