2018 Fiscal Year Research-status Report
知的障害児童・生徒の教材活用による実態把握と系統的学習教授法に関する臨床研究
Project/Area Number |
18K02799
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
池畑 美恵子 淑徳大学, 総合福祉学部, 准教授 (00616352)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 知的障害児童・生徒 / 実態把握 / 感覚と運動の高次化チェックリスト / 教材活用 / 系統的学習教授法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、知的障害児童・生徒の発達の全体性や適応状態をとらえる多面的な実態把握の指標の整備と発達段階に応じた系統的な学習教授法の検討を目的としたものである。平成30年度は、実態把握の指標として「感覚と運動の高次化チェックリスト2007」の項目内容にいかなる修正・追加が必要であるのかを、過去の淑徳大学発達臨床研究センター通所幼児のチェックリスト評価データーをもとに検証を進めた。現在、上記チェックリストは525項目が設定されているが、その中でa.日常の行動観察から評価可能な内容、b.特定の教材の使用や構造的な評価場面の設定を要する内容、c.評価基準の文章化が必要な内容等に区分し再評価を行った。今後、発達ステージごとに代表的事例を抽出し、チェックリスト項目の内容妥当性についてさらに検証を進める予定である。 実態把握に関する公開研修会として、平成31年3月2日に第3回障害児保育・教育実践事例報告会(会場:淑徳大学)を開催し、3名の講師より知的障害特別支援学校の指導事例について報告を頂いた。研修会の概要は以下の通りである。奈良県立奈良養護学校 高橋浩氏「小学部4年生の事例-ことばを獲得し活用しはじめるまでの経過を中心に-」、東京都立品川特別支援学校 今井佐和子氏「知的障害特別支援学校低学年の事例-情緒問題の背景理解と支援-」、山陰発達と学びの研究会 野口明紀氏「感覚と運動の高次化理論を活用した自立活動の指導」
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
過去データの抽出と整理に時間を要したため、最終的なチェック項目の加筆・修正の前段階となる要検討項目の抽出まで到達した段階である。また、当初予定していた学齢事例の検討は、対象事例の決定に合わせ進行しているため、まだ十分にデータが蓄積できないない状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目以降、当初の計画通り特別支援学校・学級への研究協力依頼を進め、「感覚と運動の高次化2007」による実態把握の問題点や必要とされる教材について協力校からのフィードバックにより明らかにする。3年目には、新バージョンでのチェックリストの開発を目標に研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
物品費および旅費が当初の計画を下回った。物品費については、次年度以降パソコン等の購入を予定している。旅費については、当初の計画では学会参加旅費を想定していが、参加可能な学会が日程上限られたこともあり、当初の計画を下回った。次年度は、学会および研修会等での報告を計画に沿いすすめていきたい。
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Research Products
(4 results)