2018 Fiscal Year Research-status Report
慢性疾患学生を支える保健管理部門コーディネーターのあり方と人材育成プログラム開発
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18K02803
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
河合 洋子 日本福祉大学, 看護学部, 教授 (10249344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大見 サキエ 岐阜聖徳学園大学, 看護学部, 教授 (40329826)
津田 聡子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (20616122)
滝川 国芳 東洋大学, 文学部, 教授 (00443333)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 慢性疾患学生 / 学生支援 / 保健管理 / 小児看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性疾患に罹患しながら大学生活を送っている学生(以下、慢性疾患学生)に対する保健管理部門における支援の状況を知るため、2018年11月、全国の大学759校を対象に郵送法による自記式質問紙調査を実施した。質問内容は、大学の背景、在籍する慢性疾患学生の状況、平日や時間外での対応事例、大学・保健管理部門での活動や体制、慢性疾患学生支援で困難なこと等である。質問紙は、266校から回答を得た(有効回答率35%)。大学の背景は、国立31校、公立40校、私立95校で、学部は2,3学部が最も多く38.7%、1学部32.3%であった。学生数は、1,000~1,999人が22.6%、500~999人20.3%の順で、実習のある学部は、教育実習76.3%、福祉系実習50.4%、看護学実習31.2%等であった。慢性疾患学生が在籍する大学は95.9%で、多くが新学期の健康診断で把握していた。慢性疾患学生の数は、10人未満が24.8%、10~19人19.2%、20~29人8.6%で、主な病名は、てんかん、糖尿病、甲状腺機能亢進症、大腸疾患とさまざまであった。保健管理部門で対応した事例は、てんかん発作、過換気症、低血糖・高血糖症状、意識消失など突然起こる症状が多かった。時間外の事例での対応は、居合わせた教員や友人が対応することが多く、一人暮らしのアパートへ駆けつけ、保護者へ連絡するなどもあった。慢性疾患学生の対応で困難なことは、学生の情報をどこまで共有するか、本人・家族が伝えたくないときにどうするか、急に発作等の症状が起こった時の緊急体制について、一人暮らしや留学生に対する対策についてなどである。ほとんどの大学に慢性疾患学生が在籍しているが、実際に対応している保健管理部門では対応策に苦慮していることが分かった。分析を深めるとともに、支援を受けている学生についても調査していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り全大学を対象に質問紙調査を行った。2019年度に専門職者に対する支援プログラムを計画するにあたって、慢性疾患学生の思いを知る必要があると考え、A大学の慢性疾患学生を対象に、学生生活の実態調査のための研究倫理審査を申請し、承認が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
慢性疾患学生に対する保健管理部門における支援の実態調査の分析をし、学会等で研究成果の報告する。また、A大学の慢性疾患学生を対象に学生生活の実態調査を行い、その分析も併せて行う。さらに、保健管理部門でのコーディネーターの研修に向けてプログラムの内容の検討を行う。
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Causes of Carryover |
まず、質問紙調査の入力作業が年度をまたいでしまったため、支出ができなかった。また、研究打ち合わせをメール会議で行ったこと、学会旅費の執行が少なかったことも原因である。PCやプリンタなどの機器の購入が予定通り執行されていなかった。使用計画として、今年度実施した質問紙調査について2学会に発表を予定している。また、2020年度のプログラム実行に向けてPC等の機器を購入予定である。
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