2019 Fiscal Year Research-status Report
慢性疾患学生を支える保健管理部門コーディネーターのあり方と人材育成プログラム開発
Project/Area Number |
18K02803
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
河合 洋子 日本福祉大学, 看護学部, 教授 (10249344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大見 サキエ 岐阜聖徳学園大学, 看護学部, 教授 (40329826)
津田 聡子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (20616122)
滝川 国芳 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (00443333)
合田 友美 宝塚大学, 看護学部, 准教授 (20342298)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 慢性疾患学生 / 学生支援 / 保健管理部門 / コーディネーター / 特別支援教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
①慢性疾患学生を支えるシンポジウム:2020年1月25日(土)13:30~15:30、日本福祉大学東海キャンパスで開催した(参加者18名)。目的は、慢性疾患学生の大学生活を捉え、支援のあり方について考えることである。講演1:当事者2名による「慢性疾患学生が経験した『大学生活あるある』」、講演2:患者・家族の会の方による「本人や親からの相談、活動の課題について」、講演3:移行期支援外来を行っている看護師による「小児がん経験者の移行期支援から見えてくる課題」、全体討論で構成した。講演1:中学性で発症した当事者1は、学校生活において、治療による感染症対策として通学での電車の時間を早くしたり、急な欠席に備えるため外来受診の曜日や時間の検討、実習中の健康管理に気を付けた。在学中に発症した当事者2は、単位が取れるか、実習との両立ができるかが不安だった。実習ではグループメンバーへ病気のことを伝えたが、周りの人に伝えることはとても勇気がいることであった。講演2:患者・家族から「どういう大学へ行ったらよいか」「就職はどんな職種がよいか」など自分で選択する時期に相談があった。学業や仕事を病気・治療との両立のためには、自分の病気を説明するなど、自立をどう支援するかが大切である。講演3:治療と就労の両立、異性パートナーと共に相談など小児期から成人期へ移行するにあたり相談内容が変わる。親による健康管理から子による自己管理への移行のためには、親子関係の自立が重要である。全体討論では、当事者から大学生活での困難なことや頑張った工夫を聞けたことが慢性疾患の方を支える一歩につながったなどの意見があり、大学生という移行期の支援について参加者各自で考える機会となった。 ②保健管理部門でのコーディネーター研修の検討:2018年度の保健管理部門への調査および①のシンポジウムから、次年度の検討をした。 ③学会発表:国内2件
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
保健管理部門のコーディネーター研修プログラム作成の時期が当初よりも遅れた(2020年1月)。 理由:有識者・慢性疾患の当事者を招いたシンポジウムを2020年1月25日に実施し、それを受けた会議でプログラムの検討をしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
①大学保健室ナースに対する研修会について:2020年秋から冬(11月~翌年2月)に第1回の研修会を実施する予定である。対象地域は、愛知県を中心とした東海地域とする。日程と内容は、午前に有識者(医師や看護師)による最新の知識の講演を行い、午後は参加者による事例検討会を行う。各グループで事例を出し合って検討・発表により共有する。 ②国内外の学会発表:国内の学会では、日本小児看護学会(神戸)、国際学会では、2020 Taiwan International Nursing Conference(台湾)での発表が決定している。 ③論文執筆中
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Causes of Carryover |
保健管理部門のコーディネーター研修プログラム構築による有識者の助言を得る機会として慢性疾患を支えるシンポジウムを開催したが、それ以外に直接集まる会議を開催できずに旅費・会議費用が不要となった。学会参加関連費用についても、日程の都合から代表者以外の参加ができなかった。また、論文投稿についての準備が完了しなかったため、関連する費用が計上できなかった。 次年度は、研修を実施する計画をたてているため、実施前には有識者を交えた会議を行う予定である。また、現在準備中の論文および国際学会の英文校正費に支出予定である。国内外の学会参加費も支出予定である。
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