2018 Fiscal Year Research-status Report
未経験の運動課題練習中において学習者のどのような活動が学習を促進・阻害するのか
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18K02811
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中島 平 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (30312614)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PF-NOTE / 一人称研究 / 熟達化 / 行為の中の省察 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動課題において、できないことができるようになる過程で、学習者自身のどのような認知活動と身体動作が学習を促進あるいは阻害するのだろうか? 本研究の目的は、新しい情報通信技術(ICT)システムの開発・活用により、初学者の練習中における、運動課題の継続時間・回数などのパフォーマンス、視線・腕の振りなどの身体動作と、思考・感覚など口述された心身の認知内容とを時系列的に詳細に記録し、システムの支援による内省と質的分析により、その学習過程における学習の促進要因と阻害要因とを明らかにすることである。本研究の学術的独自性としては、新しいICTシステムを開発・活用することで、パフォーマンス、認知活動、身体動作という3要素の相互作用を詳細に分析可能とすることと、学習の促進と阻害という観点から、認知活動と身体動作とパフォーマンスが互いにどのように影響を与えるのかを明らかにする点である。今年度は、条件に合うアイトラッキングカメラが購入できなかったため、研究のデザインを見直し、対象をジャグリングからeスポーツへと変更するとともに、まずは学習促進・阻害の調査の前に、練習活動のうち、特に口述された認知内容をテキスト化し、練習活動の映像と結びつけることを焦点においた。具体的な研究成果としては、練習中の発話を音声認識技術によりリアルタイムでテキスト化し、録画映像と結びつけて振り返りに活用するシステムを開発した。このシステムにより、行為の中の省察を促すとともに、練習行為と行為の中の省察自体を、のちに行為についての省察により振り返ることが可能となった。成果の発表として、査読付き論文誌1件、国際会議発表3件、国内会議発表1件を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
条件を満たすアイトラッキングカメラの購入ができなかったため、研究のデザインを変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
変更した新たな研究デザインの元で今年度分の進捗の遅れを取り戻す。具体的には例えば、計画では一人ずつ行なう予定であったデータ収集を、複数人で並行して行なうなど。
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Causes of Carryover |
研究遂行の条件に合うアイトラッキングカメラが購入できなかったため。研究のデータ収集を2名ずつ同時に進められるように、パソコンと計測装置の購入に充てる計画である。
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Research Products
(5 results)