2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on Educational Support of Foreign Students in Subjects
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18K02818
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
今井 亜湖 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (50367083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 琢 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70377943)
田中 伸 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70508465)
坂本 一也 岐阜大学, 教育学部, 教授 (00320325)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 外国人児童生徒 / JSL児童生徒 / 教育支援 / 学習語 / 教員養成 / プログラム開発 / ポータルサイト開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(令和3年度)は,(1)昨年度開発した「外国人児童生徒の学習支援のための教員養成プログラム」の実証研究,および(2)「教科指導における外国人児童生徒の教育支援のためのポータルサイト」で提供する学習語に関するコンテンツのプロトタイプ開発とその効果検証,に取り組んだ。 研究活動(1)で実証研究を行った教員養成プログラムは,3つのユニット((a)教科教育で用いる語彙の教育方法,(b)口頭では言葉の意味が掴めない学習者への支援方法,(c)外国人児童生徒教育)で構成されており,令和2年度ではユニット(a)の実証研究を行った。本年度はユニット(b),ユニット(c)の実証研究を行った。ユニット(b)は,2年生必修科目「教育方法学・技術」の1コマ(90分),ユニット(c)は,1年生必修科目「人権」の1コマ(90分)にて,研究代表者および研究分担者がそれぞれ実施した。 研究活動(2)では,授業中の教師の発話分析をもとに,日本語指導が必要な学習者が授業に参加するために理解しなければならない学習語を選定し,その学習語を学習するためのコンテンツのプロトタイプ(カード教材)を開発した。カード教材の有用性を検証するために,2県5小学校に在籍する日本語指導が必要な児童67名にカード教材を配布し,2週間自由に使用してもらった。評価は,学習者を対象とした事前・事後語彙習得調査・実施状況調査,指導者を対象とした日本語能力調査・使用状況調査を行い,【興味・意欲】,【使いやすさ】については学習者・指導者の双方から肯定的評価を得ることができ,【効果】では語彙習得を示す平均得点が事前より事後のほうが高かったことから,学習語を学習するための教材として有用であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19によって当初計画していたフィールド調査がすべて中止となったため,プログラムの開発方法の見直しが必要となり,これによって教員養成プログラムの開発と評価の実施が1年遅れとなった。それを受けて実施する予定であったポータルサイトの開発も遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
「外国人児童生徒の学習支援のための教員養成プログラムの開発」については,このプログラムを構成する3ユニットの実践は令和3年度までに一通り行ったが,ユニット(a)について1教科の教育法でしか実践を行っていないため,様々な教科の教育法で実施できる内容である点は検証できていない。そこで令和4年度はユニット(a)について別の教科の教育法でも実践し,その効果を検証する。また,令和2年度から令和3年度に実施した各ユニットに関する検証結果を論文としてまとめる。 「教科指導における外国人児童生徒の教育支援のためのポータルサイトの開発」については,令和3年度に開発したコンテンツのプロトタイプをもとにコンテンツを完成させ,学習語を学ぶためのコンテンツとともに,教科指導における外国人児童生徒の教育支援に必要な情報を提供するポータルサイトを開発し,日本語指導を必要な児童生徒を指導している教員を対象にサイト評価を実施する。
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Causes of Carryover |
初年度実施予定であったフィールド調査がすべて取りやめとなり,研究発表もオンライン開催となったため,旅費が計画どおりの使用ができなかった。また,調査のデータ整理のための人件費もフィールド調査の中止により使用できなかった。これらの経費については,ポータルサイトの開発経費に充当する。
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