2018 Fiscal Year Research-status Report
A study on parents' concerns and attitudes towards programming education in primary school
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18K02832
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
丸山 有紀子 東海大学, 情報教育センター, 准教授 (40248779)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プログラミング教育 / 小学校 / 保護者 / ワークショップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2020年度より小学校へ導入されるプログラミング教育における保護者の役割に着目し、プログラミング教育導入に対する保護者の意識・態度を明らかにするとともに、小学生の学習態度に与える影響と保護者自身の意識・態度の変化を明らかにすることを目的としている。 30年度は、保護者を対象とし、①小学校におけるプログラミング教育導入に対する理解度(目的・内容)および態度、②プログラミング教育に対する期待・不安、③子どもの学習へどの程度関わろうとしているのか を明らかにすることを目的に、質問紙による調査を実施した。 その結果、コンピュータ教育に関する知識や関心に地域差がみられることを明らかにした。具体的には、地方の保護者に、不安感を持ったり期待感が低い傾向がみられ、プログラミン教育導入にも慎重であることがうかがわれた。一方で、家庭でのサポートに対する態度には違いがみられなかったが、コンピュータのスキルが低く日ごろからコンピュータを利用していない保護者が、家庭でのサポートに対して自信感が低く不安を抱えており、不安を取り除く必要があることも示唆された。 また、小学生と保護者が一緒に参加するプログラミングのワークショップを開催し、ワークショップの前後で、参加者を対象に調査紙を用いた調査を実施した。その結果、ワークショップの参加により、プログラミングへの理解が深まり、プログラミング教育により一般的なスキルが身につくことへの期待が高まるとともに、不安が軽減されることが確認できた。また、家庭でのサポートに対する態度も改善された。小学生も、保護者とワークショップに参加することに対して、肯定的にとらえていることが分かった。 以上の結果を、複数の国際会議で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の小学校および保護者の協力により、プログラミング教育導入に対する保護者の意識・態度に関する調査を実施し、プログラミング教育導入に対する保護者の意識・態度を明らかにすることができた。 また、小学生と保護者を対象としたプログラミングのワークショップを開催し、ワークショップの前後で質問紙調査を実施した。使用した調査項目は、上記の調査により得られた結果をもとに作成した。調査結果より、ワークショップの参加により、プログラミング教育に対する意識・態度が変化することが明らかとなり、ワークショップの効果を確認することができた。 以上より、本研究がおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度に、教材の異なる複数のプログラミングワークショップを開催し、質問紙調査を行った。教材としては、①コンピュータやプログラミング言語を使わずにおもちゃのロボットを動かす教材、②ビジュアルプログラミング言語によりロボットを操作する教材、③ビジュアルプログラミング言語により、コンピュータ上で動く簡単なゲームを作成する教材、の3種類とした。31年度は、調査結果を解析し、どのような教材が保護者の意識改善に効果的かを分析する予定である。 また、引き続きワークショップを開催し、参加者に対するインタビューや観察調査により、保護者との活動が子供の学習意欲にどのように影響しているかを解析する予定である。観察調査においては、保護者と小学生の共同作業に焦点をあて、どのような活動が、保護者の意識変化や小学生の学習意欲の向上に影響を与えるかを分析する予定である。
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