2018 Fiscal Year Research-status Report
リハビリテーション専門科目への接続を図る入学前・初年次物理学習プログラムの開発
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18K02840
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
津森 伸一 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (50342051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 真希 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 助教 (90737826)
坂本 飛鳥 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 助教 (90758715)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 物理学習 / 学習プログラム / 入学前教育 / 初年次教育 / リハビリテーション学 |
Outline of Annual Research Achievements |
リハビリテーション学は人体の構造や動作等を対象とする学問分野であり,物理学との親和性が高い.しかし,高等学校在籍時の物理科目(「物理基礎」「物理」)の履修状況や理解状況が多様であるため,リハビリテーション専門科目への接続に必要な知識の担保が課題になっている.この問題を解決するため,入学前や初年次の学生を対象とした自学自習用物理学習プログラムを開発することが本研究の目的である.物理学とリハビリテーション学の内容を相互に対応付けることにより,物理学習に対するモチベーションの向上を図ると共に,リハビリテーション専門科目への知識の転移を円滑に行うことを狙っている. 平成30年度は,自学自習用教材開発の準備段階として,物理学習プログラムの検討と一部教材の開発を行う計画であった.まず,教養基礎科目である「基礎物理学」を履修している学生に対し「物理基礎」「物理」の履修状況を調査した.また,「物理基礎」「物理」の力学分野と「運動学」等のリハビリテーション分野の各単元の対応付けを調べ,過度の学習負担とならない量の学習分野を抽出した.なお,学習プログラムは,物理分野・リハビリテーション分野で学習する各単元を更に小さな学習単位に分け,それぞれを交互に配置する楔形の形式とすることにした.例えば,「重心」のテーマでは,導入(リハビリ)→重心の定義(物理)→支持基底面(リハビリ)→力のモーメント(物理)→重心の求め方(物理)→身体重心(リハビリ)のような順の学習プログラムとした.次に,「重心」を対象とした自学自習用教材の開発を実施した.教材の形式としてビデオ・シミュレータの両形態を検討し,「重心」はビデオ教材として開発した (一部継続中).また,以上の構想内容について,学会で発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度は,物理学習の「重力」関連分野を対象とした動画教材を開発し,高等学校生の試用による学習プログラム検証を行うことを計画していた.ここで,動画教材のナレーションは音声合成ソフトにより作成した音声データを用いることとし,開発教材のほぼ全ての音声データが作成済みの状況にあった.しかし,後にこの音声合成ソフトを用いて作成した音声データを学習教材に組み込んで閲覧させることが(ライセンス上)できないことが判明し,音声データを全て作り直すこととなった.このため,動画教材の開発が遅れ,高等学校生の試用を行うことができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は,残りの学習教材について,学習プログラムの検討とビデオやシミュレータを用いた開発を実施する.当初は,残りの学習教材全てを年度内に開発する計画であったが,上記の理由による遅れが生じたため,重要度のより高い教材から順次開発を行い,残りの教材については令和2年度に開発する.併せて,開発した教材を数名の学生に試用してもらい,学習プログラムの不備や課題の洗い出しを行う.教材は,完成度が一定の水準になった段階で順次LMS(学習管理システム)に実装し,令和2年度入学予定者に対する有効性検証を実施する. 令和2年度は,物理学習プログラムの完成に向け,学習プログラムの見直しと令和3年度入学予定者に対する有効性検証を実施する予定である.
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Causes of Carryover |
研究分担者の坂本が産休に入り平成31年度に予定していたパソコンの購入ができなくなった.また,学会発表に係る旅費支出が計画より少額になったため残額が発生した. 研究分担者の坂本のパソコン購入は,令和2年度内に実施予定である.その他の残額については,学会発表等に使用する予定である.
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