2018 Fiscal Year Research-status Report
高大接続に対応する国語科教員養成の初期段階の指導プログラムの開発
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18K02845
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| Research Institution | Hijiyama University |
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Principal Investigator |
井口 あずさ 比治山大学, 現代文化学部, 准教授 (90511600)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | メタ認知方略 / 教材分析力 / 授業構想力 / 学習の手引き / 自己評価 / 探究過程 / 定番教材 / 論理的文章 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、基礎調査と指導プログラムの作成を主な目的とした。基礎調査については、(1)文献調査として、国語科教育分野の、表現活動を重視した「読むこと」の指導研究、教育工学分野の教員養成研究について検討した。また、小中学校学習指導要領の改訂に関する行政資料や専門家の提言、教員養成に係る答申、長年教科書に連続採択されてきた「読むこと」の定番教材を検討した。これらと並行して、(2)質問紙調査を実施した。教員養成課程を持つ大学の2年次生を対象に、「読むこと」「書くこと」に対応するメタ認知方略尺度(井口, 2017)を調査し、尺度の信頼性と妥当性を検討した。指導プログラムの作成については、(3)教材の選定に取り組み、連続採択されている教科書教材の学習の手引きを検討し、複数の教材の候補を検討するとともに、(4)指導プログラムの概要を整理した。
(1)は、複数の実践家の「読むこと」、「書くこと」の実践記録を検討し、読みの指導に論理的な文章表現活動を組み込むと、あるいは論理的な文章表現指導に読みの指導を組み込むと、どのように探究的で創造的な思考が促されるか整理した。またそのような思考を保証する教材の要件、指導過程を把握した。また行政資料等における評価について整理を継続している。(2)の質問紙調査では、「読むこと」「書くこと」の指導に対応するメタ認知方略尺度(井口, 2017)の項目が、初等・中等（国語科）教員免許状取得予定の大学生を対象とした指導に使用可能であることが概ね確認された。調査の結果、項目の構造に特徴が見られ、指導プログラム中の指導過程は、学習者の多様な反応を想定して、教材の解釈を深め「読むこと」の授業を論理的に構想する過程になることが予測された。現在追加調査を行い、詳細を検討している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の方向は概ね計画通りであるが、指導プログラムを確定するための基礎調査の一部が遅延している。具体的には、質問紙調査の結果、当初予期していなかった興味深い特徴が得られ、その特徴を確認しより詳細に把握するため、追加調査をする必要が生じた。一連の調査の結果は、指導プログラムの内容に反映させる予定である。現在仮設定している指導過程、教材の扱い方、評価に修正を加える可能性がある。
また、今後公にされる評価に関する行政資料も参照し、今後、本研究で育成する「授業構想力」「教材分析力」の定義を、多様な実践開発が可能になるように確定する予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
令和元年度は、作成した指導プログラムを、専門家との協議を通して最終確定し、実践を通して検証する調査を開始する予定である。実践では、作成した指導案と論理的な文章について評価する予定である。現在仮設定している評価観点を、今後確定することになる。また、学習過程での変容を、質問紙調査を通して、井口(2011)の方法を用いて数量的に検討する予定である。
研究遂行上課題となるのは、確定した指導プログラムを、調査校の教育課程、実施可能な時期等に対応させて、指導プログラムを実践的に運用することである。その対応方法として、行政資料も参照し、共通の観点で複数の協力校の情報収集を進め、教育課程の特徴、学生の学習状況を把握する。そうすることで、指導プログラムの運用性とその範囲、汎用可能性等を示す予定である。また、協力校の教員とコミュニケーションを重ねることで学生の特徴を理解するとともに、倫理面の配慮、個人情報の管理等の準備を整えていきたい。
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| Causes of Carryover |
今後、指導プログラムを確定するための専門家との検討、実践校との打ち合わせ、実践遂行、実践の評価のための費用を使用する予定である。
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Research Products
(3 results)
