2022 Fiscal Year Research-status Report
高大接続に対応する国語科教員養成の初期段階の指導プログラムの開発
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18K02845
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
井口 あずさ 甲南女子大学, 文学部, 教授 (90511600)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メタ認知方略 / 授業構想力 / 過程の評価 / 探究 / アカデミック・ライティング / 教養 / 学びの専門家 / 「文学国語」 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成3年度に再検討してコンパクトにパッケージ化された、国語科教員養成の初期段階における「読むこと」の指導プログラムを新たに進展させた。本指導プログラムは、平成3年度までに、読解した文章の批評文を作成することで、高等学校までの「書くこと」の学習を補うだけでなく、大学初年次での文章表現の学びを発展的に応用するものとなっていた。また、読解の探究的な学習活動を導くものであった。 指導の評価については、高大接続の視点に加え、新たに「学びの専門家」「省察的実践家」を育成する視点から、学習の過程と結果に関する評価方法、指導プログラムの評価方法を検討した。高校までの学習内容の補充だけでなく、受験勉強に偏った学習方法からの脱却、学ぶ楽しさの涵養、さらに、評価活動を通して、指導後の発展的な学習活動を促すことを企図するものであった。このような評価方法は、高大接続を重視し、かつ、生涯にわたって学び続ける教師生活の基礎を育むものとして検討された。 「読むこと」の指導で使用する教材については、中等教員養成にも対応させ、高等学校の新設科目「言語文化」に加え、「文学国語」の指導に使用できる教材を開発した。その教材分析の学習においては、文芸批評理論をふまえた教科の専門的な内容を用い、対話を通した探究的な学習を通して専門教養を高められるようにした。また、理論に即して「文学国語」で重視されている創作の指導方法にも対応可であると考えられた。 このように指導プログラムを新たに進展させることで、教員養成初期段階の学生が探究的に学ぶことを通して、高校での学びを補充、発展させるだけでなく、専門教養を高め、生涯にわたって学び続ける基礎的な態度を育むことが期待された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高大接続の視点に加え、専門的力量の基礎の育成の視点を含めて実践開発が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、新たに進展した指導プラグラムを実施し、効果を検証する予定である。
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