2019 Fiscal Year Research-status Report
視覚障害児に適した主体的・対話的な生体情報を用いたプログラミング学習方法の開発
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18K02851
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
安藤 明伸 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (60344743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 伸幸 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (50369310)
川崎 聡大 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (00444654)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 特別支援 / 視覚障害 / プログラミング / 脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,簡易脳波計測装置からの加工済みデータを無線で取得し,そのデータを匿名化しリアルタイム データベース上に一時的に確認し,そこからプログラミングするロボットデバイスへのデータ転送のプロトタイプの開発を行った。またそれ以外のアプローチとして,ロボットに搭載した加速度センサの変化によって,ロボット本体を傾けることで,動きをプログラミングする教材を開発した。 キーボードではなく,実際の物体やパーツを磁石やパズルピースのようにつなげるプログラミング教材との差別化として,複数人での対話的・協働的なプログラミングを実現するために,児童生徒の実態に応じて段ボールを自由にカットしてロボットへの動きの命令とするブロックを制作できること,特定のロボットだけに対応するのではなく,DCモータとI2Cインタフェースで接続できるセンサに対応することとし,RaspberryPi 3上で動作させた。 現時点ではforwardやturn right等のように各ブロックの命令をテキスト化したQRコードをブロックに貼り付け,それを読み取り・送信する専用アプリを開発して処理をしている。読み取られたデータは,インターネット上のFirebaseに送信されJSON形式で保持する。このFirebaseとRaspberryPiは,RPC(Remote Procedure Call)にてTCP接続されている。ブロックのデータが読み込まれた終了フラグを検知し次第,RaspberryPiへリアルタイムにサーバプッシュし実行フラグを立てる。RaspberryPi上では,実行フラグが取得されると,Firebaseに保持されているプログラムデータを全て取得し,ステップ実行する。 開発した触覚プログラミング環境は,視覚障害児を対象としたワークショップにて試行した。 また,簡易脳波計測装置の独自指標について,脈波との併存的妥当性を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,生体情報(表情認識,脈拍,簡易的な脳波)計測のリアルタイム処理結果のフィードバック方法の開発,触覚型プログラミング言語の開発を予定していた。その中で,表情認識については,必要性が薄いことがわかり現状では扱わずとも良いと判断できたため取り扱っていないが,それ以外については,ほぼ予定している実証を行うことができた。特に,当初予定していた3Dプリンタでのブロック作成については,作成に時間が掛かるなど現場にとっての扱いにくさも考えられたため,より安価で汎用的なダンボールをカットして作成する等,より現実的に利用しやすいアプローチにすることもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
H31年度までは順調に,開発,検証を行うことができた。最終年度に向けては,予定通りガイドラインの作成に着手する見込みである。しかしながら,新型コロナウィルスの影響で,実際の児童生徒を対象とした実証授業の目処が立たず,十分な検証が行えないことが懸念される。
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Causes of Carryover |
計画としては予定通り進んでいるが,システム全体としてβ版の設計で留めたため,最終年度に授業実践の様態が確定し次第,作りこみを行う予定である。海外での脳波研究に関する調査出張の予定が新型コロナウィルスの影響で実現しなかったため,来年度渡航可能となり次第,システム開発のためにも調査を急ぐ予定である。
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