2018 Fiscal Year Research-status Report
模擬授業生徒役学生のＩＣＴを活用した実践的指導力の向上に関する実証的研究
| Project/Area Number |
18K02860
|
|---|
| Research Institution | Shizuoka University |
|---|
Principal Investigator |
小清水 貴子 静岡大学, 教育学部, 准教授 (70452852)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 裕子 静岡大学, 教育学部, 教授 (20136154)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
| Keywords | 模擬授業 / ＩＣＴ活用 / 実践的指導力 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
教員養成課程で行われる模擬授業は，講義回数や授業時間の制約から，代表の学生が教師役を務め，多くの学生は生徒役として受講している。こうした模擬授業では，主として教師役の学生の実践的指導力の向上が意図されており，生徒役の学生の実践的指導力の向上はほとんど意図されてこなかった。そこで，本研究では，家庭科教員養成課程の模擬授業において，教師役の学生のみならず，生徒役の学生の実践的指導力の向上を意図してＩＣＴを活用し，その効果を検証する。具体的には，（Ⅰ）講義前後の自撮り模擬授業映像の比較による自己省察の試行と効果検証，（Ⅱ）模擬授業での教師目線映像の記録とその活用による効果検証を行う。今年度は，（Ⅰ）講義前後の自撮り模擬授業映像の比較による自己省察の試行と効果検証について，代表者と分担者で自撮り模擬授業の内容と方法について検討した。模擬授業としてどのような指導場面を取り上げることが効果的であるか，先行研究をもとに検討を行った。模擬授業で取り上げる指導方法として，協調学習を取り入れた授業について検討を行い，成果を学会で報告した。つぎに，（Ⅱ）模擬授業での教師目線映像の記録とその活用による効果検証について，研究協力者である大学教員の協力を得て，教師目線映像の記録方法について検討した。また，本大学の情報基盤センターが支援しているオンライン教育講座を受講し，撮影した模擬授業の記録データを共有する方法について検討した。また，教員養成課程の学生を対象に模擬授業の実践や自己省察に関するヒアリング調査を行い，模擬授業の振り返りや自己省察に関する教師目線映像の活用方法について検討した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的や実施計画に関して，交付申請書に記載した内容にそって研究を行い，（Ⅰ）講義前後の自撮り模擬授業映像の比較による自己省察の試行と効果検証について，先行研究をもとに模擬授業で取り上げる場面を検討して具体化したこと，（Ⅱ）模擬授業での教師目線映像の記録とその活用による効果検証について，教師目線映像の記録方法とその活用法について検討を行い，ベテラン教員の教師目線映像をもとにした教材の開発と受講学生の教師目線映像の活用に分けて研究を進めること，ヒアリング調査において模擬授業の振り返りや自己省察においてＳＮＳの有効性が示唆されたことから，本研究はおおむね順調に進展している。
|
| Strategy for Future Research Activity |
まず，「（Ⅰ）講義前後の自撮り模擬授業映像の比較による自己省察の試行と効果検証」について，代表者と分担者がそれぞれ担当する家庭科教育法の授業において，講義前後の自撮り模擬授業映像の比較による自己省察を試行する。その効果を検証するために調査を実施する。そして，代表者と分担者，協力者とともに，模擬授業自撮り映像を活用した自己省察の方法について検討する。
つぎに，「（Ⅱ）模擬授業での教師目線映像の記録とその活用による効果検証」について，教師目線映像の記録方法およびその活用方法について検討する。それをもとに，代表者と分担者が模擬授業において実践および調査を実施する。それをもとに，模擬授業における教師目線映像の記録とその活用に関する評価を行う。また，現職家庭科教員の自己省察への適用可能性について検討する。
|
| Causes of Carryover |
（理由）教師目線映像の記録に用いるウェアラブルカメラを２台購入する予定であった。そこで，当初，予定していた製品を１台購入して試行したところ，操作性や記録方法に課題があることが判明した。そのため，教師目線映像の記録方法について再検討する必要が生じたことにより，年度内の完了が困難となった。
（使用計画）次年度に教師目線映像を記録するための物品費に充てる。
|
