2018 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between young children's smartphone play and lifestyle habits
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18K02863
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
湯地 宏樹 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (50290531)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | スマートフォン / 生活習慣 / 依存 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、(1)乳幼児の保護者を対象に2波のパネル調査を行うことによって、乳幼児のスマートフォン/タブレット遊びと生活習慣や依存の因果関係を交差遅延効果モデルによって明らかにすること、(2)乳幼児の保護者を対象にインタビュー調査を行うことによって、乳幼児のスマートフォン/タブレット遊びと生活習慣や依存のプロセスを明らかにすることである。このような問題設定を行ったのは、乳幼児~小学3年生の保護者及び小学4年生~中学生928名を対象に行った基礎的調査(JSPS科研費26350320)において、生活習慣の悪化→スマートフォン/タブレットゲームの悪影響、依存傾向→スマートフォン/タブレットの使用時間も長くなるという悪循環が示されたからである。 今年度は予備調査として生活習慣とスマートフォン/タブレット等の使用時間、デジタルメディア依存との関係について大学生を対象に2つの時点で調査を行う2波のパネル調査を行った。生活習慣のチェックリストは文部科学省「早寝早起き朝ごはんで輝く君の未来~ 睡眠リズムを整えよう!」を用いた。 調査時期は、1回目は2018年6月、2回目2018年10月に実施し、研究の同意が得られた者のみを対象(129名)とした。 「交差遅延効果モデル(cross-lagged effect model)によって、生活習慣やデジタルメディアの依存傾向とスマートフォンの使用時間の因果関係を検討したところ、依存については、依存傾向→スマートフォンの使用時間、スマートフォンの使用時間→依存傾向の両方の因果関係が統計的に有意であったが、生活習慣とスマートフォンの使用時間についての因果関係は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は乳幼児の保護者を対象に2波のパネル調査を行う予定であったが、生活習慣の観点から3歳児以上を対象とすることが適当であること、大学生を対象にした調査を分析した結果から生活習慣や依存のチェックリストがいくつかの因子に分かれる可能性があることなど、研究計画の見直しや生活習慣の質問項目の検討や精査が必要であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は混合研究(量的研究と質的研究)を実施する。量的研究としては、3歳以上の幼児の保護者を対象に2波のパネル調査を行うことによって、スマートフォン/タブレット使用時間と乳幼児の生活習慣や依存との因果関係を明らかにする。約1,000名の保護者を対象にスマートフォン/タブレット依存度、乳幼児の生活習慣について質問紙調査を実施する。質的研究としては、同じ対象の保護者の中から調査の同意を得られた者を対象とし、幼児と保護者のメディア行動、スマートフォン/タブレットの使用、乳幼児の生活習慣など、半構造化面接法によるインタビュー調査を実施する。質問紙調査で得られたデータは交差遅延効果モデルで因果関係を検証するとともに、インタビュー調査で得られたデータは質的に分析する。最終的には両者の結果を総合的に考察していく。
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Causes of Carryover |
今年度は乳幼児の保護者を対象に2波のパネル調査を行う予定であったが、研究計画の見直しや生活習慣の質問項目の検討や精査が必要であったため実施しなかった。次年度の量的研究と質的研究の本格実施のために、郵送費、謝金等の支出を計画している。
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