2021 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between young children's smartphone play and lifestyle habits
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18K02863
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
湯地 宏樹 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (50290531)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スマートフォン / ゲーム / 生活習慣 / スマホ依存 / 養育態度 / 幼児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,乳幼児の保護者を対象に,乳幼児の依存傾向と生活習慣との関係やその背景となる要因について明らかにする。2波のパネル調査(同じ対象者に2回の調査)を実施し,交差遅延効果モデル(cross-lagged effect model)等によって因果関係を推定することを目的としている。 本研究では2回の調査(①2019年9~10月園児の保護者1,350名を対象。②2020年2~3月に同意を得られた保護者428名)を行い,幼児のスマホ依存傾向と生活習慣との関係について検討した。その結果と課題をまとめると次の3つになる。 1.橋元・久保隅・大野(2019,2020)の一連の研究でもヤング(1998)の基準に従い,8 項目中5項目以上を「依存傾向が疑われる」としているが,本研究でも同程度の約2割の幼児が依存傾向であることが示された。 2.「依存傾向尺度」を用いて生活習慣への影響を<交差遅延効果モデル>によって検証したところ, 「依存傾向」が高くなればなるほど,「睡眠時間」(5歳児),「早寝早起き」(3歳児)への影響が示唆された。またCOVID-19による臨時休園の有無による影響も明らかになった。 3.保護者のメディア行動やメディアの制限,養育態度の影響を共分散構造分析によって検討したところ, 「保護者のメディア行動」が「スマートフォンの使用時間」に影響し,養育態度【統制】によって「保護者のメディア制限」 「スマートフォンの使用時間」がコントロールされたり,養育態度【応答性】が「依存傾向」を抑制する機能も果たしているのではないかということが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は,本研究は,スマートフォン/タブレットの依存のプロセスを明らかにするために,乳幼児の生活習慣や依存に関するインタビュー調査を行うよう計画し,保護者へのインタビューを行った。しかし,理論的飽和化に至っていないので,補助事業期間再延長承認申請を行った。新型コロナウイルス感染防止に最大限に配慮して,インタビュー調査をさらに実施していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
内閣府調査(2022)でも報告されているように,ここ数年の乳幼児のインターネット利用の増加が著しい。またCOVID-19の影響でデジタルメディアの利用が増加したのか,外遊びなど他の遊びとの関連での分析を検討する必要がある。自由記述や保護者へのインタビュー調査によるデータの検討を行い,質的・量的両面から総合的に検討していきたい。
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Causes of Carryover |
今年度は,乳幼児の生活習慣や依存に関するインタビュー調査を実施できたが,新型コロナウイルスの流行の影響で十分ではなかった。次年度は,インタビュー調査に係る「人件費・謝金」,研究成果を発表するための学会旅費,論文等に執筆するための英文校閲,抜き刷り等「その他」を使用する計画である。
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Research Products
(1 results)