2019 Fiscal Year Research-status Report
Toward Building a Competency for Elementary School Programming Education with a View to The Future
| Project/Area Number |
18K02868
|
|---|
| Research Institution | Shobi University |
|---|
Principal Investigator |
恩田 憲一 尚美学園大学, 芸術情報学部, 教授(移行) (60310257)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 宗海 中央学院大学, 商学部, 教授 (90511816)
譚 奕飛 中央学院大学, 商学部, 准教授 (90508540)
松原 和樹 中央学院大学, 商学部, 准教授 (60757805)
中井 秀樹 大阪成蹊大学, 経営学部, 准教授 (60330065)
佐藤 修 東京経済大学, 経営学部, 教授 (50170725)
古谷 次郎 北星学園大学, 経済学部, 教授 (20347743)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
| Keywords | プログラミング教育 / コンピュテーショナル・シンキング / コンピテンシー / ルーブリック / 小学校 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
将来の職業を見据えた普遍的な力の育成を目指して、文部科学省は2020年度より小学校でのプログラミング教育を必修化する方針を打ち出している。本研究を遂行するプロジェクトでは平成30年度に文部科学省や経済産業省が唱えたICT人材に関する指針に加えて、海外および国内での小学校におけるプログラミング教育に関する文献の分析を行い、小学校プログラミング教育でのコンピテンシーの検討に必要な調査を行った。ISTE(International Society for Technology in Education)における標準についての情報等から海外では既にICT教育からComputing教育へと向かう流れがあること、および適切な指導者の育成と確保が大きな問題であることが確認できた。令和元年度では概念の指針となるコンピテンシーの検討と並行して、具体的な方向からのアプローチとして論理的思考力から問題解決力へと繋がる特定の問題に着目したルーブリック(課題ルーブリック)の検討も行った。さらに本研究では実際に小学校の現場で使用する場合を想定した教材の開発も視野に入れているため、小学校の教育現場でプログラミングの必修化に際してどのような問題点が指摘されているかについての検討を行い、コンピテンシー並びにルーブリックの検討を受けて、実際の小学校の教室での使用を前提とした学習教材のプロトタイプの開発も進めている。このプロトタイプ教材は新学習指導要領に対応した算数科での使用を想定しており、実際の小学校の現場でのICT機材の現状をも踏まえて、アンプラグドでの使用が可能な付箋を用いた教材と、それと連携したPCなどを活用するデジタル教材の開発も行った。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
我が国のプログラミング教育はプログラミング技術の習得という枠組みに留まるものが多いが、海外の先行事例ではコンピュータサイエンス習得へのシフトが見受けられる。従って本研究でのコンピテンシーの検討に際しても、その調査範囲をプログラミング教育以外のコンピュータサイエンスにまで拡げる必要があり、調査及び分析には当初の想定よりも多くの時間が必要となっていた。そのような背景から令和元年度も、前年度から作成している小学校プログラミング教育に於けるコンピテンシー原案の改良を、引き続き継続して行った。また、我が国の小学校教育ではプログラミング教育のための専門の教科は設けず、広く学習全体の中へのプログラミング的思考の浸透を特徴とする。そのため学習指導要領の内容に広範に対応することも視野にいれる必要があり、その開発に時間を要している。
本研究は小学校での豊富な経験を有する研究協力者を有しているが、その指導のもとに、全国の小学校の教員を対象としたアンケート調査を行い検証する計画である。しかしその際、コンピテンシーを提示するだけではアンケートに答える上で具体性に欠けることが懸念されるため、対応するルーブリックも同時にアンケート調査の対象に含めることとし、ルーブリックの完成を待ってアンケート調査は令和2年度での実施を計画している。
さらに本研究では実際の使用を前提とした学習教材のプロトタイプの開発を行っている。小学校教育現場でのプログラミング必修化に際し、どのような問題点が指摘されているかを踏まえた上でプロトタイプ教材の開発を行った。このプロトタイプ教材は新学習指導要領に対応した算数科での使用を想定しており、実際の小学校の現場でのICT機材の普及の現状を考慮して、アンプラグドでの使用が可能な付箋を用いた教材と、それと連携したPCなどを活用するデジタル教材の、両面で構成している。
|
| Strategy for Future Research Activity |
令和元年度の原案から改良を進めている小学校プログラミング教育に於けるコンピテンシーに対応した達成度評価を目的としたルーブリックを完成させる。新しい学習指導要領ではプログラミング教育のねらいとして、単なるプログラミングとはせずにプログラミング的思考と敢えて記述しており、また教科横断的な導入をも求めていることから、ルーブリック案の作成に際しては、この点を考慮した開発を行っている。従って本研究のコンピテンシーを測定するルーブリックは、科目横断的な視点も加味した抽象度の高いマザー・ルーブリックとして設定し、教科を横断して各科目において実施される際は、このマザー・ルーブリックを各科目に合わせた具体的なルーブリックとしてブレイクダウンし実施する方針で作成を行っている。次に実際の教育現場での受け止められ方を知る目的で全国の小学校を対象として我々の開発したコンピテンシーとルーブリックに対するアンケート調査を実施し、その結果を必要があればコンピテンシー並びにルーブリックへフィードバックする予定である。並行して開発中のプロトタイプ教材を活用した学習ツールは、大阪府下の小学校の協力を得て、実証実験を行う予定である。対象児童は大阪市内公立小学校の 5 年生を想定しており、算数の単元に於いて「整数の性質を調べよう」と題しての実施を準備中である。授業展開としてはアンプラグド方式とScratch によるデジタル教材を使った授業を行う計画であるが、令和２年度特有の問題として、新型コロナウイルス禍の影響により小学校の現場がその対応に追われており、実施計画の大幅な見直しを迫られているのが現状である。令和２年度後半には本研究の成果を、学会誌や大学研究紀要等で論文としてまとめ、公表する予定である。
|
| Causes of Carryover |
年度内での実施を予定していた予算90万円の調査アンケート実施が次年度へ繰り越す事となり、その調査費用等が次年度使用額となっている。
|
Research Products
(3 results)
