2020 Fiscal Year Research-status Report
主体的問題解決能力を養成する健康をテーマとした分野横断型学修システムの開発と評価
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18K02869
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
片岡 竜太 昭和大学, 歯学部, 教授 (20214322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎田 めぐみ 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (70385558)
二瓶 裕之 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (70433422)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 主体的問題解決能力 / 分野横断型学修システム / ICT / PBL / クリティカルシンキング |
Outline of Annual Research Achievements |
健康長寿社会で活躍できる人材を養成するため、問題発見、問題解決能力、チームワーク、リフレクション能力を身につけることを目標に、6大学の保健・医療・福祉・栄養の6分野の学生を対象に、Webシステムを活用した分野連携PBLを実施した。 プラットフォームとして既存のLMS(Glexa)をベースにビデオ会議システム(Zoom)と文書作成サービス(Google Document)を活用した。授業は健康長寿を阻害する要因についての方策をディスカッションする第1段階(低学年)と地域の高齢夫婦の事例をシナリオとして用いた第2段階(高学年)とした。2018年に第1段階を、2020年に第2段階を同じ学生が受講し、9週間にわたって4回実施した。 第2段階を終了した学生からは「ディスカッションを通して専門的な視点からの意見を聞くことができた」「多職種と連携するうえで知っておくべき知識がたくさんあると改めて感じ、もっと勉強しようと思った」などの感想をもらった。グループディスカッションに関するルーブリック評価は4回目に3点満点で2.4~2.5点と最高点となり、最終提出物の評価は平均2.3点、自己評価に関する評価は平均2.4点で、全員基準点の2.0点以上となった。異なる学部の学生間のオンライン授業では、特にアイスブレーキングが難しいが、回を重ねるごとにディスカッションが活発となり、グループ全員が力を合わせて、地域の高齢夫婦に対する改善策を提案することができた。本授業を通じて、問題発見と問題解決能力、チームワーク、リフレクション能力を身につけることができたと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ICT学修支援システム(Glexa)を活用して、分野横断型学修システムを構築し、実際に北海道、東京、神奈川の6大学の学生と教員が協働して、地域の高齢夫婦の事例に取組み、問題解決策を提案し、さらに高齢夫婦が住む団地における健康増進策についても検討し、提案した。第1段階における改善点を改善し、学生グループはより深い学修を実施できた。成果を2020年日本教育工学会秋季大会と2021年同学会春季大会で報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
Ⅰ ルーブリック評価表を用いた多分野学生のディスカッションの内容評価 1.第2段階授業について、各学生のディスカッションへの貢献度、自分の意見をわかりやすく他学科の学生に伝えられたか、他学科の学生の意見を傾聴したか、について教員評価を実施する。2.分野横断型学修システム録画画像を用いた解析 3.ディスカッションについて、ルーブリック評価と発言履歴の解析結果の関連を検討する。 Ⅱ.自己主導型学修とその共有についての充実度の検証に関しては第2段階授業について、以下の2項目に分けてそれぞれ検証を行う。1.自己主導型学修の充実度の検証:学修時間と個人の使用したリソース、プロダクトの評価方法の検討を行う。1)個人プロダクトとグループプロダクトに対して編集作業ごとに編集者と開始時刻・編集時間を収集する。2)ルーブリック評価表からの検証 3)ルーブリック評価と学修活動の関連を調べる。2.自己主導型学修成果の共有に関する検証:学修成果の共有について、ネット会議システム録画の解析方法とルーブリック評価法を開発する。1)ネット会議での発言履歴からの検証 2)ホワイトボードの利用履歴からの検証 3)ルーブリック評価表からの検証4)検証結果の比較検討 (1)「自己主導型学修の充実度」と同様にルーブリック評価と発言履歴・編集履歴との関連を調べる。(2)4回のネット授業で発言履歴がどのように変わったのかを検証する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で学会出張ができなかったために、学会出張費を使わなかった。打ち合わせが予定通りできなかったために、システム改修も遅れた。次年度に支払う予定である。今後発言履歴、編集履歴の解析には人件費や謝金が必要になる予定である。
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Research Products
(9 results)