2019 Fiscal Year Research-status Report
教学IRと教育ビッグデータを活用した二重機械学習法による学生支援予測モデルの開発
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18K02882
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Research Institution | Seisen Jogakuin College |
Principal Investigator |
片瀬 拓弥 清泉女学院短期大学, その他部局等, 准教授 (70542322)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 教師なし機械学習 / 教師あり機械学習 / 線形重回帰モデル / ニューラルネットワークモデル / クラスター中心からの距離 / GPA予測 / 学校生活満足度予測 / 就職活動支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度では、ラーニング・アナリティクスデータ(リメディアル教材LMSからの学習履歴)、性格特性、教学IRデータ(入試種別、出身高校偏差値、日本語プレースメントテストを活用し、1年春学期末のGPAと学校生活満足度の予測モデルを開発することを目的とした。その結果、本研究テーマの重要ポイントである「モデル開発に必要な説明変数を概ね特定できたこと」、さらに「クラスター情報について、各クラスター中心からの距離を使った方が、2段階目の教師あり機械学習の精度が上がること」という開発手法を発見した。 令和元年度は、この結果を受け、さらにモデルの向上を図るため、新しい説明変数を探索する予定であった。そのため、学生に対して半構造化面接やアンケート調査等を行い、予測精度の向上とその予測による早期の学生対応方法を模索することが目的であった。 そこで、短大生に「AI予測を活用した就職活動支援、就職活動の具体的支援方法、学校満足度調査」に関するアンケート調査を行い、AI予測の活用や具体的支援方法について、単相関分析・テキストマイニング分析を実施して検討した。その結果、AI予測の活用では、学生のAI予測に対する考え方が支援に影響する可能性があること、さらに、学校満足度調査結果に対応した就職活動支援方法が明確となった。具体的には、学校満足度調査結果の被侵害得点が高い「不安定群」と「不満足群」では、AI活用に関する意識が就職活動の前後で変化する可能性があるため、これらの群がAI予測を活用しやすい「就職活動前」に使用して支援することが適切であると考えられた。さらに、支援方法として、不安定群には「不安低減と履歴書添削」、不満足群には「教職員による相談」に重点を置く必要があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度では、短大生に「AI予測を活用した就職活動支援、就職活動の具体的支援方法、学校満足度調査」に関するアンケート調査を行い、AI予測の活用や具体的支援方法について分析と検討を行った。その結果、AI予測の活用では「学生のAI予測に対する考え方が支援に影響する可能性があること」、「学校満足度調査結果に対応した就職活動支援方法」が明確となったことが成果として挙げられる。よって、「おおむね順調に進展している」と考えている。 具体的には、学校満足度調査結果の被侵害得点が高い「不安定群」と「不満足群」では、AI活用に関する意識が就職活動の前後で変化する可能性があるため、これらの群がAI予測を活用しやすい「就職活動前」に使用して支援することが適切であると考えられた。さらに、支援方法として、不安定群には「不安低減と履歴書添削」、不満足群には「教職員による相談」に重点を置く必要があると考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、本来ならば、さらなるモデル向上を図る予定であった。しかし、コロナウィルスによる影響により、大学はオンライン授業となり、就職活動も例年とは違う様相を呈している。このような状況下では、モデルに必要な平常時の予測データや説明変数を同じ条件下で取得することは不可能である。すなわち、当初の研究計画をそのまま推進することは困難となった。 一方、令和元年度の研究成果の一つとして、AI予測を就職活動支援に活用することに積極的な学生と消極的な学生が存在した。この結果は「AI予測を活用すること自体に別要因が存在する可能性」を示唆するという新たな仮説を生んだ。その影響を考慮しないとモデル向上は十分に図れないと考えられる。よって、当初の研究計画を多少変更し、この新たな仮説の立証に取り組みたいと考えている。具体的には、全国ネット調査を実施し、その結果を分析する予定である。
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Causes of Carryover |
当初活用を予定していた質問紙について研究機関が自費負担したため、次年度使用額が生じた。しかし、新たな仮説を立証するためのネット調査費用に当てる予定である。
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Research Products
(3 results)