2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of education program on research integrity for undergraduates aimed at prevention of research misconduct
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18K02890
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡林 浩嗣 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 講師 (70333309)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 研究公正 / 学部生教育 / 教育カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である平成30年度は、既存の大学等における研究倫理教育のあり方を見直し、主として実験科学分野の学生に対し「特定不正行為とその罰則」について教える前段階として適用可能な、「不正を意識する前に研究公正が自発的かつ健全に理解される」教育カリキュラムの構成を検討し例示することを目指し、研究を開始した。まず、既存の日本国内で用いられる代表的な研究倫理(研究公正)教育の教科書、e-learningに加え、米国で用いられる各種の教育ツールを調査し、教材内で提示される「用語」・「問いかけ」・「期待される回答」等について分類し、「罰則のある特定不正行為」との距離感や特定の用語の頻出回数に関する分析を行った。また、本研究における基本的な問題意識について、第39回日本臨床薬理学会学術総会のシンポジウム「「私たち」が考える研究公正」において発表すると共に、日本分子生物学会等の生命系実験科学分野の学会関係者との討議を通じ、現在必要とされている教育カリキュラムのニーズについて調査を行った。これら学会での基礎系/臨床系研究者等を含む予備的な意見交換の結果、本研究において分析するカリキュラムの範囲を、医歯薬系の専門教育の一部において行われている研究倫理関連のコンテンツへ広げることとし、各種教材の収集と分析を行った。また、実験科学系研究者を対象とするアンケート調査の手法を、特定の学会の年会における対面調査からWebベースに変更することとし、設問項目の再検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では平成30年度中に、研究不正事例が比較的多く報告されている基礎生命科学の関連分野の研究者を対象とし、そのニーズをボトムアップで集約する為のアンケート調査を行う予定であった。しかし、臨床系研究者を対象者に含む予備的な調査や連携研究者との討議の結果、本研究のoutputをより効果的なものとする為に、既存の医歯薬学の専門教育における類似の教育コンテンツの分析を追加することの必要性に加え、複数学会に所属する研究者による重複回答を効果的に排除する様、アンケートの手法や規模を再検討する必要性が認められた。そこで、平成30年度末にかけて、既存の研究倫理関連教材・カリキュラムの分析範囲を広げると共に、アンケート調査の手法を質問項目の設計の見直しを行った結果、本研究は当初予定よりやや遅れて進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度中に実行する予定であったアンケート調査を平成31年度の前半に行い、平成30年度に行った既存カリキュラムの分析結果と対照させ、既存の教養教育科目や学生実習へ「溶け込ませる」形で、新たな学部生向け研究公正教育カリキュラム素案の作成を行う。さらに、教育工学会等の専門家会合において研究の進捗を報告し、得られた意見を元にカリキュラム案の改善を行う。
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Causes of Carryover |
平成30年度には複数の学会年会でのアンケート調査を行う予定であったが、研究計画の充実化を図る目的で、アンケート調査の前段階として行う既存教材の分析範囲を広げ、アンケート調査の方式を変更した為、各学会年会でのアンケート調査が平成31年度にずれ込むこととなった。これらの予算はアンケート調査の実施に必要な追加資料の収集や実施、成果報告に係る支出として平成31年度に使用する計画である。
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