2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development and evaluation of a digital learning game for an ideal and step-by-step experiences of historical thinking
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18K02892
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池尻 良平 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任講師 (40711031)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歴史教育 / 教育工学 / ゲーム学習 / 歴史的思考 / 歴史学習 / デジタルゲーム / ICT |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、高校生を対象に、昨年度開発した歴史的思考を理想的・段階的に体験できるデジタルゲーム教材の効果検証を行った。 本ゲーム教材では、歴史の初学者では難しいと指摘されている、①歴史資料の出所注目、②歴史資料の文脈化、③複数の歴史資料による確証化に関する歴史的思考を習得させ、それらを他の単元へ転移させることを狙っている。そこで、高校生6名を3つのペアにし、本ゲーム教材で扱っていない歴史の単元の歴史資料を3種類用意した上で、それらを読み解くことで回答できる課題を出し、議論させた。次に、本ゲーム教材を個別に体験させた後、同様の課題を同じペアで議論させた。最後に、個別に事後アンケートに回答させ、本ゲーム教材の体験後、事後課題の議論に影響があったかを自由記述で回答させた。 事前と事後の議論における3つの歴史的思考の発言の有無や変化を、事後アンケートの結果と合わせて分析した結果、主に②歴史資料の文脈化と③複数の歴史資料による確証化ができていなかった高校生の学習を、個別に促進させる効果が確認された。また、転移の効果として、①歴史資料の出所注目を促進させる効果、および②歴史資料の文脈化と③複数の歴史資料による確証化をより促進させる効果が確認された。以上より、本ゲーム教材の転移の効果が一定程度確認された。 上記の評価を含む研究知見については論文にまとめ、学会で発表した。 また、本デジタルゲーム教材「レキシーカー」は、使用方法や参考資料などをまとめてWEBページで公開し(https://rekiseeker.net)、高校の教員や生徒を含め、広く誰でも体験できるようにした。
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Remarks |
本科研で開発した、ブラウザ上でプレイできるデジタルゲーム教材を公開しているWEBページである。使用方法や授業での活用方法、参考資料なども掲載している。
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