2021 Fiscal Year Research-status Report
mラーニングの感情面支援のためのコミュニケーション過程の感情伝達に関する基礎研究
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18K02912
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
加藤 由樹 相模女子大学, 学芸学部, 教授 (70406734)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 感情伝達 / テキストベースコミュニケーション / モバイル端末 / モバイルラーニング / 情報モラル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、モバイルラーニングにおいて、学習者の感情面を支援する方法を検討するための基礎研究である。国内では2020年の初めごろにCOVID-19が広がり始め、その状況が2021年度も継続した。このコロナ禍において、オンライン学習が一気に普及した。これまでもeラーニングやモバイルラーニングなどの遠隔教育においては、学習意欲が低下したり、そもそも学習をしようとする気にならなかったり、学習活動が遅延したり、結果的にドロップアウトにつながる傾向が高いことが指摘されてきた。学習者の学習への動機づけには、コミュニケーションが重要な役割を果たしていると考えられる。しかし、インターネット上のコミュニケーションは手軽である一方で、すれ違いが生じやすく、トラブルに発展しやすいとよく言われる。つまり、コミュニケーションは、学習にとってポジティブなだけでなく、ネガティブに働く可能性もある。本研究では、テキストベースの電子メディアコミュニケーションに注目し、メッセージの送信者と受信者の間の感情面のやりとりについて、基礎的な実験や調査を実施してきた。 特に2021年度は、コロナ禍においてオンライン学習などの在宅での活動が増えた状況下が続く中で、課題などをやらなくてはならないけれどもなかなか取り掛かれないときに、取り掛かるためのアイデアについて検討し、調査、実験を行った。つまり、教室ではなく自宅などの孤独の環境で学習に取り掛かるためには、他者の存在がどう影響するのかに注目した。その結果、他者による声掛けなどのコミュニケーションや他者の進捗状況の提示などが、オンライン学習においてやる気を出すために効果的であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度の研究計画はうまく進められなかった。その原因は前年度からのCOVID-19の拡大のため、対面での実験や調査が、2年間できなかったためである。研究課題では、電子メディアコミュニケーションにおける感情面に関する詳細なデータを収集する実験が計画されていたが、それを対面で実施できなかったため、オンラインでできる形での実験及び調査を実施した。オンライン実験及び調査では、詳細なコミュニケーション過程におけるデータ収集ではなく、具体的に学習活動をしなくてはならないけれどもなかなか取り掛かれないときという場面を設定し、そのような場面で取り掛かるためのアイデアを収集、分析した。更に、本研究課題の初年度及び次年度に行った実験で得られた膨大な量の感情データの詳細な分析を進めた。 なお、本研究課題は、本来は2021年度が最終年度であったが、計画が遅れているため、研究期間の延長を申請し、承認を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も実験を予定している。おそらく2022年度もCOVID-19の感染防止対策は必須であり、実験参加者を集めて対面で行う実験は難しいと考えられる。しかし、オンライン上での実験の工夫をより一層行うことで、より実際的なデータの収集の可能性もある。更にアンケートベースのオンライン調査も行っていく。 特に、コロナ禍においてオンライン学習が普及し、この間に多くの人々がオンライン学習を経験したことを踏まえ、教育場面、学習場面への具体的で応用的な示唆を得られるような検証実験を実施していく。また、本研究課題の成果の公表も、計画的に進めていく。
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Causes of Carryover |
2021年度は、前年度からの継続で、国内学会および国際会議への参加がCOVID-19拡大の影響でキャンセルになったため、次年度使用が生じた。2022年度は、国内外の学会が対面開催になる可能性があるため、旅費の支出は増えると予想している。また、オンライン実験やオンライン調査など、本研究計画時とは異なる支出が増えると考えられる。コロナ禍を踏まえた効果的な使用をしていく。
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Research Products
(4 results)