2018 Fiscal Year Research-status Report
Developing a system for supporting note-taking skills of university students
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18K02913
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
吉岡 昌子 愛知大学, 文学部, 准教授 (10584097)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ノートテイキング / 手書き行動 / 時系列測定 / 大学生 / 授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である2019年度は、教授法の違いが授業のノートテイキング行動に及ぼす影響を探索的に検討する実験の実施とデータの分析を行った。大学生が参加する模擬授業場面において、配布資料の有無や板書とスライド(パワーポイントで作成した資料を投影したもの)によるノートテイキングの変化を比較した。反応の測定には、申請者らが開発したノートテイキングと板書の計測システムを用いた。 先行研究では大学生のノートテイキング行動を教員の授業行動との関係において測定し、時系列的な変化をみた研究はなく、授業場面で双方がどのような連動性をもつのか、その連動性を調べるためにどのような指標が適しているのかは明らかでない。そこで、試みに相対周波数を指標に用いたところ、板書に遅れて筆記が生じる追従関係を統計的に示すことができた。また、板書とスライドでは同じ参加者でもノートテイキングの平均相対周波数と反応間間隔が変化した。筆記内容については重要語の筆記率を指標とした場合、教員の板書スタイルの違いが筆記率に影響する可能性が示された。実験の過程で明らかになった課題には、授業中、ほぼ常に生じる教員の発話を時系列分析する方法の検討と、板書を測定するシステムの改良が挙げられる。今年度は板書行動の測定に白板の振動をマイクで検出する方法を試験したが、板書位置によって検出量が異なり、事後にマニュアルで記録する方法に代替した。 これらの結果から、いくつかの課題が見つかったものの、学生のノートテイキング行動と教員の授業行動との対応関係を定量的に記述する方法論とフィールド場面でのデータを得ることができ、次年度の本格的な教授法の影響を比較する実験へと研究を進める段階に到達できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は当初の計画通り、教授法の違いが授業のノートテイキング行動に及ぼす影響を検討する方法論を具体化し、授業場面でデータを収集することができた。実験の結果、板書行動を自動測定するシステムの改良や教員の発話行動を時系列分析する仕組みの検討という課題が見つかった。しかし、課題が明らかになることは当初の想定範囲内であり、いずれも研究の進展を妨げるものではない。むしろ、これらの課題の解決は本研究が構築を目指すノートテイク支援システムの有用性を高めることに寄与する。よって、本年度の研究の進展はおおむね順調であったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目である新年度は、前年度にフィールド場面で得たノートテイキングの特徴を把握するため、実験室的状況において条件を統制した類似の筆記場面を設定し、比較対象となるデータを得る。そのうえで、先行研究での示唆を踏まえ、効果的とされる複数の教授法間でノートテイキング行動の時系列的特性と内容を比較し、授業の理解度との関連をみる。また、並行して連携協力者の協力を得ながら、新たな方式による板書行動の自動測定システム、および、モーラ単位での発話分析の方法を検討し、板書、ノートテイキングとの共起性について、それまでに得たデータを再分析する。これらの作業が終了した後、ノートテイキング行動を改善すると考えられる介入法を具体化し、その効果を検討する実験の立案に進む。
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Causes of Carryover |
(次年度使用額が生じた理由) 初年度に行った実験の分析を行い、その結果を国際学会で発表する予定であったが、当初想定していた以外の方法でも、ノートテイキングおよび教員の授業行動の分析を行うことが今後の研究を進めるうえで有益と考えられたため、計画を変更し、その作業を行った。また、この変更によって、次の実験に必要な機器を購入するタイミングを遅らすこととしたため、次年度使用額が発生した。 (次年度の使用計画) 上記の理由から、未使用額は初年度に行った実験の国際学会で発表する経費、および、新たな実験に必要な機器の購入に充てることとしたい。
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Research Products
(2 results)