2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of a participatory learning support system connecting basic knowledge of pharmaceutical sciences to clinical
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18K02919
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
大内 秀一 近畿大学, 薬学部, 教授 (30275606)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 学修システム / 問題解決型学習 / チーム基盤型学習 / 薬剤師国家試験 / Moodle / テキストマイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、臨床の場で起こりうる問題を学習者が基礎薬学の“物理・化学・生物”の知識を駆使して解決していき、学ぶ意欲を高める学修システムを開発する目的で、学修システムを構築した。構築した学修システムは1課題について①課題提示(代表的8疾患に関連する課題)、②プレテスト、③講義(物理・化学・生物)、④TBL、⑤資料作成、⑥発表、⑦講評、⑧ポストテスト、⑨ピア評価を組合せて、さらに、クリッカーおよび学習支援システムの Moodle を活用して1人の教授者で運用可能である。今年度は実際に改定薬学モデルコアカリキュラムが適用される5年生を対象に学修システムを運用してその教育効果を検証した。 5年生78名 (6名×13グループ) を対象に2週間で4課題を実施(2課題毎にグループメンバー替え)し、最後に、確認試験およびアンケート調査を行った。その結果、「課題内容への興味」「講義内容への興味」「物理・化学・生物の理解向上への有効性」などの項目で高い評価が得られ、学修システムの運用で高い教育効果が得られることが示唆された。(この結果を、第4回 日本薬学教育学会大会にて発表した。) また、自由記述の感想文をテキストマイニングの手法を用い、出現頻度の高い特徴語を抽出して客観的な分析を試みた。その結果、「課題」「難しい」「考える」「人」の出現頻度が多く、「考える」は「物理」「化学」「生物」と共起関係が描画された。また、「物理」「化学」「生物」に強い相関がみられ、「物理」「化学」「生物」を関連させながら考えていることが伺えた。また、「症例」を中心として「与える」「分野」「理解」「深まる」に共起関係が描画され、症例をもとに各分野の理解が深まっていることが分かった。(この結果を、日本薬学会第140年会にて発表した。)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構築した学修システムは特に問題なく運用することが出来た。また、学修システムによる学習効果も高いという結果も期待どおりであった。 課題に用いるシナリオをより充実させるため、引き続き症例の検証を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
薬学部5年生の実務実習に行く前のグループに対して学修システムを運用した際の教育効果を分析したが、実務実習を終えた後のグループに対して学修システムを運用した際の教育効果を分析して、実務実習前と実務実習後の教育効果の比較検討を行う。 今年度、初めて運用した学修システムの欠点等を検証し、学生の要望などを反映させた学修システムを構築する。 コロナウイルスの影響により、今年度の学修システムで行った対面でのグループ学習が困難になる可能性があるが、ICT を駆使した学修システムの利点を生かして遠隔での Web 上でも同様の教育効果の得られる学修システムを構築して検証する。
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Causes of Carryover |
年度末に参加することを予定していた学会がコロナウイルスの影響によって中止になり、その分の旅費の支出が無くなったため、変更が生じた。
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Research Products
(2 results)