2018 Fiscal Year Research-status Report
並列プログラミングのための反転授業向け学習支援ツールの研究
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18K02920
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
若谷 彰良 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (60330403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 利之 阪南大学, 経営情報学部, 教授 (70320041)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | MOOC / 反転学習 / 自動生成 / 並列処理 / 並列プログラミング / OpenMP / AVX |
Outline of Annual Research Achievements |
並列コンピュータが一般化し、そのための並列プログラミングの需要が増加している。並列プログラミングの学習においては、APIの理解およびスレッド制御やデータ依存関係を理解するために、一般に、大量の例題を用いた学習が有効である。 今年度は、並列プログラミングのためのフレームワークとして、共有メモリ型並列システム向けのツールであるOpenMPプログラミング、及びプロセッサ内蔵のSIMD演算器のためのプログラミング手法の一つであるAVXプログラミングに対して、学習コンテンツの作成およびプログラミング演習の例題となるwebツールを作成した。この中でwebツールとしては、穴埋め問題、デバック問題、プログラム出力推定問題の3種類に加え、後述するように、少し大きめの穴埋め問題を実装し、疑似的な反転授業形式で、一部の検証を行った。 検証においては、通常の講義形式の場合と、その講義と同じ時間で自習教材で学習する疑似的な反転授業を用いて講義を行う場合とで、課題の完成度を比較したが、両者には大きな差はなかった。よって、本方式を実際の反転授業で用いることにより、講義時間の短縮もしくは講義時間内でさらに応用問題を解くことができるなど、学習効果の改善が可能となる。 さらに、プログラミングスタイルの全体像を理解させるための演習問題として、新たなwebツールを考案し、実装した。これは、キーワードなどを穴埋めするだけでなく、1行分のプログラムを実装させるものである。これまので穴埋め問題はキーワードを埋める程度の比較的軽いものであり、プログラムの全体を意識しなくても解答可能なものであったが、今回のツールは1行分の追加となるので、プログラムの流れを意識して記述することが必要となり、学習者のプログラミング理解を助けることが期待でき、並列プログラミング学習におけるプログラミング演習の強化を図ることができるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り進められている。演習問題として、1行分のプログラミングを書かせるツールを追加したことが予定外の進捗である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初のスケジュールにしたがって進めているので大きな変更は予定していない。
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Causes of Carryover |
(理由) 国内発表の件数が予定した数に達しなかったこと、及びサーバとなるコンピュータとその上で動作するソフトウェアを既存のもので代用したことによる。 (使用計画) 今後、より優れたソフトウェアを導入し研究環境の整備をすすめ、研究成果を積極的に公表することに努めていく。
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