2021 Fiscal Year Research-status Report
Development for experimental support systems of 3-axis stage/2DOF liquid level dynamical control system
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18K02925
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
菅谷 純一 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 客員研究員 (30154454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上町 俊幸 石川工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (50280334)
大場 譲 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (80455104)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 鉛直移動型倒立振子 / DSP / スライディングモード制御 / エネルギー制御 / 振り上げ制御 / 立位制御 / 力学的エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
X-Z型振り子制御システムの制御方式について非線形制御方式を実機の制御駆動部であるRISCマイコン制御としてスライディングモード方式を組み込んだ。提案した非線形制御としてのエネルギー制御とスライディングモード制御を鉛直方向移動2軸台車型倒立振子システム実機に適用して立位制御は実現した。しかし、振上げから立位までの連続的な制御については駆動するモータのトルクが出せないため振り上がらなかった。原因はスライディングモード制御の計算プロセスが複雑なため制御を振子に伝達するまでに時間が掛かり、RISCマイコンでは対応しきれないことがわかった。そこで研究分担者によって制御駆動部であるRISCマイコンをDSPに置き換えることで浮動小数点表示に変換することで複雑な計算に対応することにして計算スピードも速くし振子の動きに操作可能にした。このDSPに置き換えることにした具体的な制御の内容は「DSPによる鉛直移動型倒立振子の制御について」と題して国内シンポジウムで発表した。この発表ではまず、X軸の1次元制御として立位制御用のスライディングモード制御と振上げ制御用のエネルギー制御とに分けて振子の振上げから立位までを実現することとした。振上げのためのエネルギー制御は振子の位置エネルギーと運動エネルギーによる力学的エネルギーを考察することで求められる。また、実機への組み込みを意識した制御則の簡単化を行い当研究室内の実験で慣性ロータ型振子システム実機を用いて、振上げ制御の実現を試し有効性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実機であるX-Z型振り子制御システムのRISCマイコンに、提案した非線形制御のスライディング制御方式を組み込むことができた。しかし、基本制御である振子が垂れ下がった状態への安定化制御は動作するが、振子のスライディングモード制御による振上げ制御において頂上までの振上げが駆動力不足で立位しないことが判明した。RISCマイコンへのスライディングモード制御の組み込みは数式が複雑なこともあって、振子の駆動系自体の見直しをしてRISCマイコンをDSPに置き換えることで数式の複雑さをカバーする試みを行った。一昨年来の新型コロナウイルス感染防止のため直接面談による研究分担者とのコミュニケーションもままならず、さらに研究代表者が夏風邪で体調を崩したこともあって研究の進捗に大きな影響を及ぼすこととなった。また、別の研究分担者と並行して進めていた大型のX-Z型2軸倒立振子の制御の2軸ボールねじ装置へ全体の装着構成もできたばかりである。
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Strategy for Future Research Activity |
X-Z型2軸倒立振子の制御において駆動部のRISCマイコンをDSPに置き換えることによって、対応するスラィディングモード制御の実現と振り上げ制御への切換によるエネルギー制御の実現をする。その関連でこれらの制御を2軸倒立振子の実機に早急に搭載し、ハードウェア面・ソフトウェア面での全体システムを構築する。まず、Z軸への制御は固定して1次元としてX軸上でのスラィディングモード制御およびエネルギー制御を実機へ適用して振子の振上げ制御と立位制御を実現する。その後X-Z型2軸倒立振子の制御に拡張実験をする予定である。 一方、全体システムにおいてPID2自由度振子制御則のフィードフォワードPID制御およびX-Z軸協調動作制御の検討を研究分担者とともに行う必要がある。一方で、大型X-Z軸制御実機にいて液面制御も並行して検討して「2自由度振子動的制御実験支援システムの開発」全般の統括を図りたい。さらに3軸2自由度液面制御の実機設計と製作へ発展させる予定である。しかし、3軸の実機製作は予算の関係上無理なので、制御則も含めてMatlabシミュレーションによって仮想的に実現するつもりである。結果次第でこれらをまとめて、論文化することを考えている。
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Causes of Carryover |
昨年度の科研費延長時に20万弱の予算は研究費としては一部システムの変更に伴うモータのサーボ装置を購入するには少額であったので、研究分担者において大型X-Z型2次元振り子システム計測関連の経費として使用した。同時に研究代表者は研究分担者との面談打ち合わせおよび学会発表関係に使用した。 残金については研究分担者においてすでに全額使用済みで、研究代表者については新型コロナウイルス感染防止のため学会出張等がオンラインになったことで出張一件分程度が次年度への繰り越しとなった。この使用に関してはオンライン学会発表と科研費関連の消耗品購入に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)