2019 Fiscal Year Research-status Report
意味世界に刺激を与え想像・感情・知識が絡み発達を促す理数探究ものづくり教材開発
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18K02933
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
松永 泰弘 静岡大学, 教育学部, 教授 (80181741)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ものづくり教材 / 動くおもちゃ / 意味世界 / 家庭 / 保護者アンケート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で取り扱う開発教材は、子どもたちの科学の芽として最も重要とされる不思議や驚きをともなう独創的な理数探究ものづくり教材であり、産業界の技術革新の一端に触れ、技術者と同じような創意工夫・試行錯誤をともなう経験が可能である。本研究では、これまでの研究を発展させ、新学習指導要領、STEM/STEAM教育、ESD教育、21世紀型スキルの実施を促進するための教材開発と実践による検証に関する研究に取り組んでいる。子どもたちは、実験から得られる科学的データを設計に生かす探究を行い、試行錯誤によるものづくりを経験する。関心意欲の原動力は、内発的動機づけに変容する興味発達の4段階理論に基づく、教材の持つ不思議さや驚きであり、熱中する子どもたちの姿が出現する。授業実践におけるものづくり・探究活動・研究活動を通して、子どもたちの自主的・積極的・対話的活動と変容を心理学的分析の手法を用いながら多面的な分析を行っている。 内発的動機づけに変容する興味発達の4段階理論は、海外の研究者の理論に基づき、感情の表出と興味発達の段階が繰り返し出現する教材・授業によって内発的動機づけを深化させる理論であり、授業実践における子どもと保護者のアンケートの内容分析法により検証している。子どもたちが自ら学習に取り組み、主体的に問題を見つけ解決する21世紀の技術教育、21世紀型スキルにとって、それを支える理論の検証を実施しているといえる。 教材開発は、①機能性材料を用いた教材、②位置エネルギーを利用した受動歩行教材、③ 芸術性と鑑賞者を意識した制作を伴うマリオネット教材、④幼小対象の動作原理を追究する動くおもちゃ教材、⑤数学的ものづくり活動教材、の5つの柱で開発を進めている。 国内の幼小中高大での幅広い実践と海外スウェーデンでの実践による検証を行いつつ、学会を中心に研究発表を行い、新たな知見を公のものとしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度、技術教育の国際会議ICTEにおいてマリオネット教材と受動歩行模型教材の開発及び授業実践に関して3件の研究発表を行った。海外の研究者(ニュージーランド、アメリカ)からは、STEM教材としての高い評価を得た。特に、動作原理の理論解析、シミュレーション解析、実験と独自の教材開発が評価された。 引き続き本年度も、日本国内で開催されて国際会議Inter-Academia Asia 2019、学会全国大会国際セッションで上肢下肢を持つ受動歩行模型教材の開発について発表を行い、工学分野の研究者からも高い評価を得た。また、関連する学会を中心に研究発表を行っており、2本の査読付き論文の掲載、2本の雑誌への掲載、12本の講演論文、プラス7件の学会発表を行い、研究の成果を公開している。 本年度の教材開発は、①位置エネルギーを利用した受動歩行教材(製作が困難な金属製と製作が容易な紙製)、②芸術性と鑑賞者を意識した制作を伴うマリオネット教材(創造性が要求される教材と部品を組み立てるだけで完成する教材)、③幼小対象の動作原理を追究する動くおもちゃ教材(のこぎりを使用する教材と組み立て式の教材)、④理数探究における数学的ものづくり活動教材(塩山、相貫体、積層体)、の5つの柱の中から4つの柱で開発を進めている。 国内においては由比こども園、附属特別支援学校、附属幼稚園、附属小中学校、高校生アカデミックチャレンジ、静岡大学講義、国外においては、スウェーデンのこども園、特別支援学校での実施を行っている。子どもたちの変容を子どもたち、保護者、教師(保育者)のアンケートの3種類のアンケートから、質的分析および定量的分析により、明らかにしている。特に、こどもたちにとっての開発した教材の意味や価値を、保護者のアンケートから明らかにしている。こどもの学びの継続・深化を引き起こす要因についても評価・考察している。
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Strategy for Future Research Activity |
教材のさらなる開発を進めながら、開発した教材を用いた実践では、国内においては由比こども園、附属特別支援学校、附属幼稚園、附属小中学校、高校生アカデミックチャレンジ、静岡大学講義、国外においても、こども園、特別支援学校、また、これまで実践してきたモンゴルの小中一貫校での実施を計画している。子どもたちの変化を子どもたち、保護者、教師(保育者)のアンケートの3種類のアンケートから、質的分析および定量的分析により、明らかにする。特に、国内外の研究者と現場からの評価を検討し、今後の開発および実践に生かして行く。 新型コロナウィルスによる休校に伴い、学校での授業実践の実施が停止するが、それに代わる実践として、① 県内の学校に対しては、フォローアップ登校による家庭での取り組みとして展開し、材料、つくり方・あそび方・探究シート、アンケート用紙は配布する、② 全国の幼小中高大を対象に、webで発信し、アンケートをとる、さらに、③ 世界に向け多言語(英語、中国語、ポルトガル語、フランス語、モンゴル語)で発信し、アンケートをとる、以上3種類の実践を行い、こどもたちの活動を明らかにするだけでなく、webでのこどもたち同士の交流について可能性を探る。 今年度の研究で明らかになったこどもの発達の多様性(支援が必要なこどもも含めた多様性)の中から生まれる豊かな活動について、理論的な背景も含め明らかにしていく。 開発している教材の研究対象とする分野は、技術教育、幼児教育、特別支援教育、数学教育の4つの分野からなり、その主要な3つの学会(日本産業技術教育学会、日本保育学会、日本特殊教育学会)を中心に研究発表を行っており、今後、数学教育学会での発表にも力を入れる。
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Research Products
(24 results)