2023 Fiscal Year Annual Research Report
Planning and practicing school-based water literacy education in the event of a disaster
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18K02944
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
野崎 健太郎 椙山女学園大学, 教育学部, 准教授 (90350967)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自然災害 / 都市 / 学校 / 湧水 / 河川 / 避難所 / 水利用 / 水質 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、本研究課題の成果を用いて、都市部の河川を対象とした体験型の市民講座を3回実施した。この講座は、筆者が幹事を、そして愛知県自然環境課が事務局を務める「東部丘陵生態系ネットワーク協議会」が主催する「あいち自然再生カレッジ(年4回)」に位置付け、3つの自治体と連携して開催した。第1回目は、7月29日に春日井市との共催で、同市高蔵寺付近の庄内川(土岐川)を対象とした。事前調査から得た河川横断面の流速、地形、水質の不均質性と生物の分布との関係について講義し、地域の自然愛護団体の方との協働で簡便な水質分析と水生生物に触れる実践を行った。第2回目は、9月2日にみよし市との共催で、境川を対象とした。この講座では、河川水質と細菌数が、上流から下流に向かい人間活動の影響を強く受けることを主題とした。事前調査では境川の源流から河口域まで8地点で観測を行い、その流程変化を河川の自浄作用と絡めて講義を行った。第3回目は、9月23日に名古屋市生物多様性センターとの共催で、植田川を対象とした。この講座では、有機物分解者としての細菌の流程変化に着目し、大腸菌群数が人間活動の影響によって劇的に増加する一方で、下水処理場からの処理水の合流により希釈され、増減を繰り返すことを示した。いずれの講座においても、まとめとして、近い未来に発生が想定されている「東南海地震」「南海トラフ地震」の際には、都市部の河川を緊急的な水源として利用できること、利用の際に注意すべき点を強調した。以上3回の講座には毎回30名程度の市民が参加された。特に子どもと保護者の参加が目立ち、次世代市民教育としての意義も感じた。 本研究課題では、自己水源が脆弱な都市部において、身近な湧水や河川水を緊急時の水源として利用可能であることを、自らの観測から作成した教材を用いて、小学校および市民講座において知らしめることができた。
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