2022 Fiscal Year Annual Research Report
Qualitative study on learning outcomes of astronomy communication activity implementers
Project/Area Number |
18K02952
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
田中 幹人 法政大学, 理工学部, 准教授 (80572057)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 天文文化論 / 質的研究 / 地方創生 / キャリア形成 / 天文学コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、天文学コミュニケーション活動を行ってきた人々の学習成果について質的調査によって明らかにすることである。 本年度は、前年度にオープンコーディングを完了したデータに対して軸足コーディングを進めた。想定以上に十分なエフォートを確保できなかったためコーディングを完了することは出来なかったが、初期解析で示唆されていたことの再確認と、新たな概念の抽出が進みつつある。具体的には、活動で得た天文学固有の知識や技術が職業に与える直接的な影響は薄いものの、活動全般とキャリアとの関連を考えた場合、活動を通じて人間関係のコミュニティを広げたり、天文学コミュニケーション系のボランティア活動に活かしたりする事例が見られる。また、新たな概念としては活動の成果を家族間で共有し家庭内コミュニケーションを促進する事例も見うけられた。 しかしながら、活動で得た経験や広がったコミュニティを継続的にキャリア形成に活かしていくためには、外部からの活動の機会提供も重要であることが再確認された。そこで、我々は分析と同時並行で、一般市民が天文学コミュニケーション活動を実践できる場の検討も進めている。本年度は、前年度計画した小中学生向きの天文学講座を実際に実施し来年度以降も継続できる仕組みを整えた。ただし、市民が参加できる仕組みを作るまでには至っておらず今後の検討課題である。また、天文学コミュニケーション活動に興味ある人々がサードプレイスとして利用できる天文台を設置する古民家の確保も行った。 今後の展開として、我々が準備している天文学コミュニケーション活動を実践できる場に市民に継続的に参加してもらい、更なる学習成果の深化が見られるかどうかの検証を行うことで本研究を発展させていきたい。
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