2023 Fiscal Year Annual Research Report
Methodological Study on Visualization of River Environment and Teaching Materials Using Recorded Video
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18K02954
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
吉冨 友恭 東京学芸大学, 現職教員支援センター機構, 教授 (20355829)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 記録映像 / 河川環境 / 視覚化 / 教材化 / 方法論 |
Outline of Annual Research Achievements |
河川環境は構造的に複雑で動的であり、水の特性からもとらえにくい対象である。そこに人を含む多様な生物が依存している。本研究では、そのような河川環境の視覚化に焦点をあて、記録映像の活用と教材化の方法を提案することを目的としている。 本年度は、これまでの総括として、作成した野川の特性と環境問題を題材としたデジタルコンテンツの改善と更新を行い、教育現場等において活用できる教材のモデルとして提示した。 改善と更新には、これまでの事例調査や実践研究において得られた知見を反映するとともに、新たに小金井市前原小学校の総合的な学習の時間の授業にコンテンツを導入し、その際の児童の反応も参考にした。 イラストレーションによる表現は教材化において重要であり、①構図設定、②断面化、③対比、④状況設定、⑤部分的彩色によって、河川の特性と環境問題を視覚化することで、多くの映像を体系化して利用者に導く有効なインタフェースが作成できることが示された。映像については、フィールドにおいて動的な事象や観察のタイミングが限られる事象を収録・蓄積していくこと、また、国や自治体の河川管理者や川の資料館が所有する映像資料を発掘し、デジタル化を進めていくことが必要であることが示唆された。 特に、過去の映像資料は現在、記録媒体・再生機器の変化や経年による保管場所の変更等により、劣化や滅失、散逸が心配されているものも多いため、それらの調査については、今後の長期的な課題になると考えられた。
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