2018 Fiscal Year Research-status Report
キレる子どもの神経基盤の解明と有効な包括的対支援システムの構築
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18K02955
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
川谷 正男 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (10362047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 哲也 福井大学, 学術研究院医学系部門, 客員准教授 (00377459)
水野 賀史 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (50756814)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 間欠爆発症 / 神経発達症 / 連携 / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、「キレる子ども」の臨床背景を後方視的に検討し、その結果を第60回日本小児神経学会学術集会で報告した。「キレる子ども」は、癇癪・イライラ以外に、多動・衝動性、不注意や集団不適応、学習困難を理由に受診する例も多く、注意が必要である。臨床診断は、注意欠如・多動症を併存している例が多かった。「キレる」要因としては本人の特性の悪化など個人要因が多かったが、家庭や学校環境に問題を抱える例も少なくなかった。有効な対応として、本人の特性の理解と適切な環境調整、アンガーマネージメントなどの心理社会治療が有効であった。また、特にADHDに伴う易刺激性に対しては、ADHD治療薬を併用することが有効であった。 福井県の全小中学校に対して「キレる子ども」の実態調査を行った。「キレる子ども」は小学校の48.3%、中学校の28.6%に在籍しており、小学生の0.84%、中学生の0.28%に相当し、小学3-4年生が最も多かった。キレる要因としては、本人の発達特性の悪化が最多で、先生の指導・注意、友人関係の悪化、学習の問題が続いた。学校内では、本人の特性に応じた個別的な対応、アンガーマネージメントなど心理社会治療の導入、チームでの対応や保護者との連携など様々な効果的な対応法を行っている学校が挙げられた。一方で、不適切な対応を行い状況が悪化したり、連携・相談先がなく、学校内で問題を抱え込み困っている事例も多くみられた。 これらを踏まえた問題点の解決に、本研究や医療への期待が寄せられ、今後、「キレる子ども」に対する医学的評価に基づいた多職種による連携・支援システムの構築が望まれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医療機関や教育機関での実態調査を行い、その成果の一部を日本小児神経学会などで報告することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
「キレる子ども」の診断・病態・評価について、客観的指標(脳波、機能的MRIなど)を用いて評価する。 「キレる子ども」の有効的な対応を構築するために、薬物療法の効果を探るとともに、多職種支援や現場との有機的な連携・支援システムの構築を目指していく。
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Causes of Carryover |
今年度は、脳波や脳MRIなどを用いた横断的研究や治療介入研究は行っておらず、協力者への謝金や実験補助者への謝金は必要としなかった。また、ホームページ作成も行っていないため、その費用も発生しなかった。 次年度は横断的研究、治療介入研究を行い、その研究成果や間欠爆発症の啓発を目的としたホームページ作成や講演会などを行い、支援体制の構築を行っていく予定である。
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