2021 Fiscal Year Research-status Report
考える「生物」のためのホルモン分泌の可視化教材の開発
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18K02959
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中村 依子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (60435667)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メダカ / 卵巣 / 卵母細胞 / 性成熟 |
Outline of Annual Research Achievements |
高等学校学習指導要領解説では、 「生物の体内環境の維持について観察, 実験などを通して探究し、生物は体内環境を維持する仕組みがあることを理解させ、体内環境の維持と健康との関係について認識させる。」とされている。しかし、現行のすべての教科書では, ホルモンの分泌による体内環境のしくみはイラストレーションで示されているのみで、実物の生物教材はほとんど例がない。本研究では、メダカの稚魚から産卵開始前後の性ホルモンの分泌による卵形成を可視化した教材を開発し、それを活用した発展的探究活動を考案して実践することを目的とする。 今年度は、性成熟までの成長過程におけるメダカの卵巣構造および卵母細胞の発達段階が安定的に推移する標本を得るため、孵化後から生後30日後までの仔稚魚がより個体差が少なく成長する条件を検討した。飼育密度等を変え、より簡易かつ健常に育つ飼育条件を見出した。生育した稚魚を用いて、孵化後から生後1ヶ月までの成長段階ごとの卵巣の組織切片標本を作製し、卵巣構造および卵母細胞の発達段階の推移を観察した。その結果、孵化後30日目までの標準的な大きさの稚魚において、成長段階によって卵巣構造および卵母細胞の発達段階の変化が観察された。卵巣構造および卵母細胞の発達段階の変化は形態的に識別できるため、成長段階から卵巣と卵母細胞の発達段階を認識することが可能であると考えられる。よって、性成熟までの過程で卵巣および卵母細胞の発達段階を可視化する教材を作製できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画にしたがって、各飼育条件におけるメダカ雌の幼魚の成長段階ごとの標準的な全長の個体の組織切片標本を作製し、成長に伴う卵巣構造の変化、卵母細胞の発達過程を組織学・細胞学的に観察した。各成長段階における標準的な全長の個体の卵巣の発達段階の違いを示唆する結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
成長に適切な飼育条件において、性成熟までの成長段階ごとに、標準的な全長の個体の卵巣の組織切片標本を作製して卵母細胞の発達段階を細胞学的により詳細に観察し、卵巣構造の変化との関係を明らかにする。性成熟までの過程で卵母細胞の発達段階を可視化する教材を作製する。
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Causes of Carryover |
最終年度は、卵巣内の各種性ホルモンの分泌の分析及び卵母細胞の発達段階の観察により多くの経費が掛かると見込まれたため、次年度の経費の支出を抑えた。自然災害の影響によりサンプリング数が少なかった。最終年度は、仔稚魚から性成熟までの成長段階ごとにメダカの雌の組織切片を作製し、卵巣及び卵母細胞の発達段階の変化を可視化した標本教材を作製する。
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