2022 Fiscal Year Research-status Report
考える「生物」のためのホルモン分泌の可視化教材の開発
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18K02959
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中村 依子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (60435667)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メダカ / 卵巣 / 卵母細胞 / 性成熟 |
Outline of Annual Research Achievements |
高等学校学習指導要領解説では, 「生物の体内環境の維持について観察, 実験などを通して探究し, 生物は体内環境を維持する仕組みがあることを理解させ,体内環境の維持と健康との関係について認識させる。」とされている。しかし, 現行のすべての教科書では, ホルモンの分泌による体内環境のしくみはイラストレーションで示されているのみで, 実物の生物教材はほとんど例がない。本研究では, メダカの稚魚から産卵開始前後の性ホルモンの分泌による卵形成を可視化した教材を開発し, それを活用した発展的探究活動を考案して実践することを目的とする。 今年度は, 性成熟までの成長過程におけるメダカの卵巣構造および卵母細胞の発達段階が安定的に推移する標本を得るため, 孵化後から生後20日後までの仔稚魚が個体間で差が少なく成長する条件を再検討し, その条件を見出した。また, 生育した稚魚を用いて, 孵化後から20日までの成長段階ごとの雌の組織切片標本の作製方法(固定・染色方法)を検討した。より初期から卵母細胞の発達段階の推移を観察した結果, 孵化後20日目までの稚魚において, 卵母細胞の発達段階に伴った細胞構造の変化が観察された。卵巣構造及び卵母細胞の発達段階の変化は形態的に識別できるため, 成長段階から卵巣の発達段階を認識することが可能であると考えられる。よって, 孵化直後から性成熟までの過程で, 卵巣内の卵母細胞の発達段階にも着目した卵巣の発達段階を可視化する教材を作製できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画にしたがって, 成長する飼育条件でのメダカの雌の幼魚の成長段階ごとの組織切片標本を作製し, より初期の卵母細胞の発達過程を細胞学的に観察した。成長に伴う卵巣および卵母細胞の発達段階の違いを見いだすことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
成長に適切な飼育条件における性成熟までの成長段階ごとに, 雌の組織切片標本を作製して, 卵巣内の卵母細胞の発達段階と卵巣構造の変化との関係を明らかにする。ホルモン分泌の推移を解析する。
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Causes of Carryover |
最終年度は, 卵巣内の各種性ホルモンの分泌の分析により多くの経費が掛かると見込まれたため, 次年度の経費の支出を抑えた。最終年度は, 仔稚魚から性成熟までの成長段階ごとにメダカの雌の組織切片を作製し, ホルモンの分泌の変化も同時に分かるような卵巣及び卵母細胞の発達段階の変化を可視化した標本教材を作製する。
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